22〜
「おまえ禿げたな」
親の一言である。「だからそんな所いくなっていったんだよ」
リゾート地が小生に残したのは、わずかな金と、八ヶ月の職歴と、
ありえないくらいのハゲだった。
何もしたくなかったし、したい事もなかったが、家にいると親がうるさいのでバイトした。
育毛剤を振りかけて、髪を後ろから持ってきて、バイトに通った。
前にやっていたバイトから声をかけてもらったのと、リゾート地の経歴を使って、
写真のバイトをしていた。
育毛にかなりの労力を割いた。血迷って資格に挑戦した、
はげアタマの自分が働いている姿を想像するだけでウンザリした。
鏡を見るだけで鬱に成る。死ねる物なら死にたい、と思う。
鬱で二年過ごして、育毛をあきらめる。頭を丸めた。
お陰で写真バイトは止めざるを得なくなった。
小生は、自営業をはじめる。民間資格で出来る事と、元手がいらない事、
それに、自営業ならハゲでも関係ないと思ったからだ。
いざ始めてみると、ハゲ葉問題ないが同業者がおおく、自分の実力不足を
早速実感する。自身を失った。勉強が足りない。また、お客に浸透するのに時間がかかると思った。
だから仕事をしながら続けていく事にした。自営業は諦めた。廃業。
仕事をする、と言っても、職歴資格容姿年齢、いずれも厳しい。
なおかつ、小生としては、競争は無理、難しい資格も無理、営業も無理。
それは愕然とするほどのハゲだった。
始めは小生も「ストレスのハゲたから、すぐに直るかも」
という期待があった。
しかし適当な育毛剤をつけても、ちっとも生えてこない。絶望した。
禿る前は、ニートやフリーターでも楽しい事は結構あったが、
この頃は本当に楽しい事がなにもなかった。ハゲ頭を髪を伸ばして隠してバイトする
自分の姿にうんざりしていた。
親がうるさいからバイトだけはしていたが、あとは引きこもって2chをみて、
育毛剤を塗ったくっていた。
様々な育毛剤、方法を一年以上試したが、まったく効果がなかった。(育毛履歴参照)
なんだこの人生。絶望しか残っていない。
死人のように生きている。でも死ぬ度胸は無い。
死ねない死人だ。
それに死ぬくらいならインドに行きたい。
かといってインドに行く度胸も無い。このままでいいやと思うほど楽天家でもない。
だから、もう一度現代社会での生き残りを図る事ためにダメライフを
考えついた。今のところ順調である。
もしダメライフが挫折したら、その時はインドに行く度胸も付いているだろう。
(追記) 職業訓練校まで片道2時間かかることになった。インド行きの確率が高まった。