Taitol
ある朝僕がいつもどおり学校に行くと、いつも元気者のYが真っ青な顔をしているのに気付き、 どうしたのか聞いてみた。「何でもない。」と返事はするものの、何かに怯えている様子だった。 まあ、こちらも無理に聞き出すつもりは無かったし、「そうか」とだけ言っておいた。 昼休み。 朝と変わらず怯えた様子のYが話し掛けてきた。 内容は「ちょっと相談に乗って欲しい」との事だった。 弁当でも食いながら聞いてやるつもりだったが、話の内容はそんな他愛無い内容では なかったのでした。 つづく 前の晩の話。 部活で(Yは漕艇部 ボートでタイムを競うやつです)疲れていたYは、 両親が出掛けている事もあり、夕食後早々に自室の布団で寝てしまったそうだ。 そこで夢を見た。場面は自宅の居間。 Yはソファーで一人TVを見ていたのだが、そこに一本の電話。 出てみるとYと相手は同い年の従兄弟だったそうだ。 が。 その従兄弟の話す内容、また声の感じも幼稚園児と話しているような幼さで、 Yは少々違和感があったようなのだが、久しぶりな事もあり「一緒に遊びたい」とか 「今度どこかに行こう」といった話をしていたそうだ。 五分ほど話したところで、Yにある疑問が浮かんできた。 「この従兄弟、死んでなかったっけ?」 つづく 重大な疑問にぶち当たったY。 しかし従兄弟はそれにはお構いなしで、一人でしゃべっている。 段々怖くなってきたYは、「もう遅いから」とか「親が帰ってくる」等の理由をつけて 電話を切ろうとするのだが、従兄弟は相変わらず一方的にしゃべっている。 話すペースはどんどん速くなり、テープの早送りのようで何を言ってるのか解らなくなってきた。 恐怖に駆られたYが「もういい!(電話を)切ろう!」と思った瞬間、 従兄弟の話すペースが普通に戻った。 そして次の一言が、 「どうして私だけ死ななきゃならないの・・・」と、 年相応(生きてれば)の声で言われたそうだ。 その一言で恐怖のピークに達したYは電話を叩き切った。そこで夢から覚めたそうだ。 つづく 夢から覚めたYは一瞬ほっとしたのだが、直ぐに夢の内容を思い出し、話をしていた従兄弟が 誰だったのかを考えた。そして思い出した。 Yが3歳のとき、通っていた幼稚園の火事でただ一人焼死してしまった従兄弟がいたことを。 「ただの夢であって欲しい」そう思ったYは夢の場面であった居間へ行き、 そこで2回目の恐怖に襲われたそうだ。 暗闇の中、 寝る前に消したはずのTVが砂嵐の状態で点いている。 そして、夢の中で叩き切った電話がTVの明かりに照らされ、 受話器が外れていた。 パニックに陥ったYは、電話線を引っこ抜き、自室に駆け込みTVと蛍光灯を点けっぱなしで、 布団をかぶったまま朝を迎えたそうだ。 つづく 弁当を食べるのも忘れ、話に聞き入っていたが、ある事を考えていた。 「こいつ漕艇部だ・・・。水に引き込まれるんじゃないか? やばっ・・・。」 Yはというと、何だか目の焦点が合っていない! 危険を感じた僕は、Yと一緒に早退し、Yを家まで送り届け、Yの母親に事情を話した。 その日から一週間、朝夕の送り迎え(自分の家は反対方向なのに!)をした結果、ようやくYは 立ち直り、現在は元気に暮らしています。 以上実話です。長文すいませんでした。 |
反省すべきところのある怖い話 全くお気楽な学生だったころ。季節はまさに今のようなお盆。 新しい彼女ができて、長年付き合った彼女と別れた しかし、元彼女の悲しむ姿を放っておけず、 最低なことに、元彼女の部屋にズルズルと連泊していた 私は祝祭日や年中行事といったものに全く疎い人間である ある夏の夜、元彼女は既にスヤスヤと就寝していた 私は彼女に気も使うことなく、彼女はさぞまぶしいだろうに、電気を煌々とつけたまま、 元彼女のノートPCでパチパチとチャットを楽しんでいた。 冷房が快適でとても過ごしやすい部屋だったが、午前3〜4時ごろだろうか、 急激になぜだかとても重苦しい気分が私を圧迫し始めた 「さて、眠気かな」とも思ったが、 重苦しい空気は物凄い勢いでより強く私を包み込もうとするように感じられた 私は部屋には大勢の気配を感じた 何人いるかはわからない、相当人数いそうだ 私は身の回り一周をキョロキョロとなんども見渡した なにも見えなかった しかし、部屋の空気が歪んで行くようなただならぬ雰囲気が充満していた 「いや、俺は大分参っているらしい」と何度も冷静になろうとしたが、、、 場の雰囲気はより一層耐え難いものになってくる 得体の知れないみえない集団が私を押しつぶそうとしている、と なぜだかわかった 説明はできない 適当か解らないが、 「肝が絞り上げられる」ような不快感が高まった 窒息しそうなほど息苦しくなった 「対抗しなければヤラレル!」という動物的な興奮を憶えた 異質な存在をビリビリと感じて 霊体験にびびる、というより、自分が敵意あるモノに囲まれた 危険な状況にある、と直観した 彼女はこちら側に背中を向け、スヤスヤと幸せそうに眠っている ずっとチャットしているノートのキーに手を置いたままでいたが、 押しつぶされそうな感覚に「もう我慢の限界だ!!」 と目を強くつむった そのとき、 右斜め前に、口を外側にあけて逆さまにひっくり返して 放置してあったダンボールが 「ボン!ボン!ドカン!ドカン!」とけたたましく鳴り始めた ちょうど、ダンボールをパンチしたり思いっきり蹴飛ばすと そんな音がでるだろう 腰を浮かす体勢をとり、いま考えれば恐ろしいが ダンボールに顔を近づけ神経を集中して観察した 音源でありそなダンボールは微動だにしないのに、音がする 心底驚いてはいたが大層不思議に感じた それはいいとして、、、私を圧迫し押さえ込もうとする空気は最高潮に達してきて 限界を越えた私は「うわーーーー」と叫び、 眠りこけているその元彼女を揺すり起こした 元彼女「・・・ぅぅなに?・・・どしたの?ムニャムニャ・・・」 私 「何かおかしいよっここ!」 女 「んんん……んん!?ぁっれー、なんでこんなにいっぱい人がいるの?」 と寝ぼけまなこで元彼女はいった 私は元彼女が被っていたタオルケットを剥ぎ取り、 頭からすっぽり被りこんでベッドで丸くなって震えた サークルでの真っ暗な森での肝試しも、遊園地での心霊アトラクションも まったく平然とやり過ごしてきた私が、日ごろからスカして飄々としている私が ひどく怯えてガタガタ震えているのをみた元彼女は そんな私が珍しいのか、ひどく滑稽なものをみるように 元気良くケラケラと笑い、 「あー、もういなくなったよ?うん。いないいない。帰ったみたい。」 といった。 「は? え?」 と思ったが、とにかく無心に彼女に抱きついてベッドに入った 私をトントンと叩きながら 「そういえば、今日お彼岸の日だよね。鹿鳴館にでてくるような格好した人たちが大勢いたよ」 とポツリといった。 元彼女の先祖の系統で、戦前に総理大臣がでたんだよ、という自慢を前に聞いていた お彼岸の日に、元彼女はよく似たような霊をみたり身近に感じるといった それは怖くないらしい(他は全く霊感働かないらしい)んんん・・・ 後日、「俺ってやっぱ歓迎されてないんだろうな、元彼女の祖先の霊たちに・・・」 と一人で納得した いま考えてみて、私が浮気しても散々振り回しても彼女は常に笑顔で元気に振舞っていた いま考えてみると、彼女はどれくらい苦しんだのだろうか…心が痛む 私をやりこめたのは、誇りある祖先なら当然だ、 私は心の中で謝罪した |
夕方も過ぎ、日もそろそろ落ちようというところ 港湾地区の一つ一つの道の直線距離は長いのだが、 両脇を5mほどのコンクリの壁に挟まれ 入り組んだ経路になっている 適当に奥へ奥へ行くほどに自分の位置が分からなくなった 自分の向いている方角も分からなくなった 初めはそれが楽しくもあったのだが・・・ 街灯がないので周りがみるみる闇に囲まれてきた 知覚できるものが海風の音だけになった 「早く帰らねば!」 少し焦った私は半ばやけになって、真っ暗闇のなかで方角不明なので 帰りの道筋もわからないまま、自転車を立ちこぎし、猛スピードで走り始めた まったくどこを走っているのか分からない 次第に足が疲労で引きつってくる 西村知美状態 「もう限界だ・・・ハァハァ」 力いっぱい急ブレーキを掛け、その場で倒れるように自転車から降りた 自分の呼吸と激しい鼓動から回復しようとその場にへたりこんだ あたり一面真っ暗 やがて、ひたひたと優しい音がするのに気付いた 私は足元を見ていた 動機が次第に収まり、闇にも目が慣れてきた 私は私の足元が時折キラキラ光ることに気が付いた なんと、私のつま先の1cm先は海面であった 港の突出したその端に来ていたのだ。 守護霊というものなのだろうか、感謝の先もわからなかったが、感謝した
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引越し後のダンボールから荷物を一つ一つ手にとって整理していた時、見慣れた卒業写真集が出てきました。中学の時のでした。 自分は写真とかを種類別にまとめてしまうのがクセみたいだったのか、その卒業写真集のページの間には中学時代に撮った覚えのある写真が何枚か挟まっていました。 荷物の分別の手を休めて思い出に浸りながら、写真を一つ一つ見てました。 一つ、一つと手にとってみてたんですが、ある写真を手にとったとき、妙な感覚が走りました。 自分は霊感とかまったくないけど、写真=心霊写真的な思考回路もありましたので、そういう前提も重なってか「うへ〜なんかヤベーなこれ〜」 と何の変哲もない写真を怖い怖いと言ってたのを覚えてます。 それを霊感と呼ぶのか知りませんが、ほんとにその写真、自分と友達5人が揃って写ってるだけで他に探しまくったけど、なんにもありませんでした。 それでその日、家族にもそれを見せて回ったんですが、妻はそういう系の話を信じるタイプなので面白がって(怖がって) これが顔に見えるだの、なんとなく全体が霧かかった写真だから、ああだこうだ、言ってましたが無視しました。 引っ越して休みでも取れば良かったんだけど、丁度会社も忙しい時期だったので、何とか早めに荷物の整理を終わらせようと夜遅くまで頑張りました。 2時か3時ぐらいに風呂入って歯磨きしたんですが、ず〜と何かに見られてるような感覚が消えませんでした。 引っ越したばかりの家ってのもあって、マジでこの家出るのかな〜ってかなりビビりまくってました。 続く 最初は見られてる感じがする、とかいう第6感みたいなもんでしたが、廊下をするような足音がついてきたり、部屋にいるときに部屋の扉の前に 何かが来た、という感じがしたり(確かに足音が部屋の前で止まる感じ)まぁとにかく自分が家にいる間はずっと誰かに見張られているような、 そんな感じがしてたんです。 そんな感じで2週間ぐらい過ぎたある日、自分の人生最大の恐怖が襲います。 その日も残業で夜遅くに家に帰ってきたんですが、風呂入って飯食って、さて歯を磨いて寝ようかな、と洗面台に行きました。 洗面台の前で歯を磨いているとき、鏡に映る自分の顔を見ながら歯を磨くわけですが、その時自分の後ろの影がなんか濃いような感じがしたんです。 洗面台の照明が自分に当たると、自分の後ろの影がどれぐらいの濃さなのかは解るんですが、それがいつもと違って濃いのです。 一気に酔いが覚めました、マジで。 自分のすぐ背後に誰かがいるのです。背は自分の肩ぐらいしかないような気がします。 鼻息みたいなのが俺の背中に当たりました。とにかくそれが人じゃないのはわかりました。 俺と壁の間は人が一人入れるスペースしかないはずなので、俺と触れてないってことは、ソレが薄っぺらの人じゃないかぎりは 壁にめり込んでるか、いわゆる幽霊ってことしか考えられない。俺の左腕のあたりから、ソレの長い黒い髪が見えました。 俺が逃げようとすれば、鏡に反射したソレの顔が見れてしまうわけで、とにかく顔を見ないようにしなければって本能が働きました。 見てしまったらその場でショック死するか、一生恐怖に震えながらすごさなければならないって瞬時に思ったからです。 俺は目をつむって自分の部屋にダッシュで戻りました。部屋の扉を閉めて布団に潜ってずっと震えてました。 そしたら扉に顔を擦っているような音が聞こえたんです。ソレが息をして、その息が扉に当たっているのが窺える音がしました。 俺は生まれて初めて失神ってのを体験しました。気が付いたら朝でした。 続く じゃあアレは一体何だったの? と、ここで話が終われば、ワケ解らなくても俺はそれでよかったんですが、残念ながらオチがあります。 俺が家に着て、荷物を整理してるときに出てきた写真。 今では妻がしつこく言うのもあって、寺に預けてあるんですが、その何の変哲も無い(いや、無かった)写真、 事が収まってふと見る機会があったので見回してたところ、素人でもはっきりわかる違いがありました。 自分と友達5人が写ってるはずでしたが・・・ 自分と友達4人が写ってました。不自然に中央が開いて、見間違いじゃなく、そこに誰かがいたようにポッカリ空いてました。 友達がポッカリ空いたところに手をかけて(丁度肩に手をかけるように)よくその友達は倒れないな、っていう不自然なポーズ。 そのポッカリ空いた部分に居た一人が俺の後ろに立ってた女でした。 写真から抜け出して来たのか・・・ 案の上、その友達は数年前に首吊って自殺してました。 何で自殺したのか。 その理由も信じたくないし、俺の体験したことも信じたくないので、詳しくは書きませんが、この世の者が原因じゃあないらしいです。 と夏なんでオカルト板に来て、 古い苦い思い出を語ってみました(´ー`;) |
自分が生まれてきたときのことを 記憶しているそうだ、しかし年を重ね、 記憶の彼方に追いやられるらしい 私が、年の離れた妹が4才の時に、 「生まれてきたとき、どうだった?」 と訊いたところ、 「がんばってでてきたんだよ」 と 教えてくれたことがある それは怖くないが、いまの私の意識にのぼる 最も古い記憶を話してみる 両親と手をつなぎ、はしゃいで歩いている 愛情を感じている マンションの廊下を3人で歩いている 世界はオレンジ色に光っている 夕方だろうか 頭上のドアノブがガチャリと鳴る おおきなドアが開く 同時に私がかけ込む 玄関から廊下がはしり、リビングに通じている 私はリビングの突き当たりを見やる オレンジ色に輝く とても懐かしい 暖かい 愛しいものが見える 嬉しくなる 言葉にならない暖かさがこみあげる 私はそれに飛びついた とても懐かしく、うれしかった そこで 記憶は途絶える 「おまえ、小さいとき、家に帰ってきたらョ、 いきなり凄い勢いでかけ出して、 リビングからベランダにでる、 玄関から突き当りの窓ガラスにとびこんだんだよ ガラスはメチャクチャに割れて、しこたま驚いたぞ 幸いカーテンがうまくオマエをくるんで、傷ひとつなかった、 おまえ、ありゃ一体なんだったんだ?」 私にもわからない、でも、そこには大切ななにかがあった |
彼は、近所のビジネスホテルで夜勤のアルバイトをしていた。 アルバイトは同じサークルの先輩の紹介だった。私の先輩でもある。 そのビジネスホテルは、どこにでもあるような、一晩5000円ほどで 宿泊できそうな5,6階建ての小さなホテルで、2階がフロントになっている。 夜は、バイトの人が一人で対応している。何か有れば責任者に直ぐに 連絡を取るような仕組みになっているそうだ。アルバイト一人に 任せるようなホテルだから、ある程度想像は付くだろう。 実はそのホテルは、彼がバイトを始める少し前に飛び降り自殺があった。 彼がバイトを始めてから、紹介してくれた先輩にその話を聞かされたらしい。 夜中にホテルで一人、しかも自殺があったホテル。フロントからは女性が落ちた場所が 見える。彼にしてみれば、決して心地の良い職場環境とは言えない。 特に古い訳でもないし、綺麗な新めのホテルなので、私には全く気持ち悪さも感じない。 その話を聞くまでは。 つづく 作り話のようであるが、ずぶ濡れの細身の女性が一人訪ねて来た。 濡れた体を拭こうともせず、うな垂れて言う。 「部屋は空いてますか?」・・・ 「はい、空いています」 「窓の有る部屋にして下さい」・・・ 声はか細く、ずぶ濡れ、よく見ると手首に無数のためらい傷、窓の有る部屋を要求。 普通ではないと感じた先輩は、部屋へその女性客を通した後、念の為に責任者へ連絡。 と、あまり時間が経たない内に、外から「落ちたぞー!」という大声が聞こえた。 女性は窓から身を投げたのだが、一度電線に引っかかった後地面へ落ちたらしい。 すぐさま救急車で運ばれたが、残念ながら病院で息を引き取ったとのこと。 つづく 彼が夜勤に入っている日、その常連客が酔っ払って帰って来た。すこぶる陽気なその客は 彼に一言二言話しかけ、部屋へ。 しばらくして、その常連客から電話があった。 なんでも、通路の一番奥の部屋の前で、赤いワンピースを着た女性が突然消えたということらしい。 彼は、「この酔っ払いが」と思いながら適当に応対し、電話を切る。 またしばらくして、例の常連客からフロントへ電話が。 「早く女を部屋に通せ!」と怒った口調で何か訳の分からぬ事を言っている。 彼にはサッパリ意味が分からず「何の事でしょうか?」とたずねた。 「とぼけるな!今さっき女性から部屋に電話があったぞ!」 どうやら、外部からその常連客の部屋に電話をしてきたた女性が居て、今フロントに居るから 直ぐに部屋に行くわと言ったそうだ。 が、外部から直通で部屋に電話する事が出来ない仕組みらしい。一度フロントを 通さない限り無理なのだ。もちろん彼は外部からの電話を受け取っていないし、 常連客の部屋へ繋いでもいない。おまけにフロントには誰も居ない。 この話をしている時の彼の顔は、引き攣った青ざめた顔で、その時の恐怖感を表していた。 つづく 普通は昼過ぎか夕方に帰ってくるそうだが、その日は行って2時間も経たない内に戻って来た。 会社の上司の身内の女性で不幸があったから、通やへ行かなければならなくなったそうだ。 会計を済ませた常連客が言った。 「昨晩見た消えた女性といい、電話をかけてきた謎の女性といい、一体何だったのだろうか? 亡くなった女性の何かを暗示していたのだろうか?」 常連客は、そのホテルで飛び降り自殺があった事実を知らない。 謎の二人の女性と、亡くなった常連客の上司の身内の女性との関係も分からない。 彼はその後しばらく、その不気味なホテルでアルバイトをした。あの体験を忘れられないまま。 おわり 長文スマソ |
昔、花屋に勤めていた。 大概の花屋は葬儀屋と提携していて、葬儀に生花を届け、 終わると片づけに行く。 これと県内外から注文された花の配達と、 他県への依頼を主な業務としている。 (一部と深夜営業店を除く) ある日、前日飾った生花を片づけに行った。 その告別式をしている家の前には、小学生が大勢並んでいた。 (自宅でやっていた)その数50人前後。 不思議に思い葬儀屋の人に聞くと、 仏様は12歳の女の子で、長い闘病生活の末、亡くなったらしい。 祭壇にかわいい女の子が笑っている遺影が飾られていた。 普段、葬式や告別式に仕事で出向いても何とも思わなかったが、 (殆どお年寄りだし)幼い遺影やショックでほうけいる両親、 すすり泣いている姉妹二人やおじいさん、 顔をくしゃくしゃにして参拝する小学生達を見ていたら、涙がこみ上げてきた。 つづく 庭から参拝者や小学生達が出ていく。 堰を切ったように棺にすがりつく遺族。 「○○ちゃん!」 名前を叫ぶ両親、泣きじゃくる姉妹、 なぜかひたすら「ごめんね!」と、謝り続けるおじいさん。 「ハハ、あのじいさんが殺したのかな?」 葬儀屋の一人がつぶやく。 不謹慎に思い振り向くと、歯を食いしばって涙を堪えていた。 (当時その葬儀屋は、なぜか現場では泣いてはいけない事になっていた) ふと隣を見ると、葬儀屋のIさんが青い顔をして固まっている。 「どーかしたんスか?」 話しかけると、Iさんは目線の先にアゴをしゃくった。 つられてそっちを見ると・・。 遺族が一人増えていた。 つづく 女の子が三人いる。 遺族がすがりつく棺の向こうに遺影の女の子が立っている。 声もなく顔をくしゃくしゃにして泣いていた。 足下の遺族の方を向いている。 泣きながら、謝り続けるおじいさんを見ているように思えた。 「・・・・。」 何が起こったのか理解できず、その子を見つめたまま 身動きできなくなってしまった。 (金縛りでは無かったと思う) その子は、何かもどかしそうに身をよじりながら 左右に首を振っていた。 ふと、顔を上げ、Iさんと俺を見た。 「!」 どうしていいのか分からず、固まっていると 悲しそうな顔で俺たちを見つめ、左右に大きく首を振るとフッと消えた。 つづく 棺と遺族が火葬場へ向かい、花や祭壇の後かたづけをしている時に 周りに聞いてみたところ、その子を見たのは 俺とIさんだけだったようだ。 Iさんは、たまにああいった物を見るらしい。 俺はそれまで見たことがなかっただけに、まだ震えていた。 Iさんは、 「あの子、じいさんに、悪いのはじいさんじゃないよとか言いたかったのかなぁ。」 と、言った。 終わり |
高校卒業が間近になった時期 課題となっていたレポートや研究課題に追われ 毎日のように遅くまで学校に残るのが普通でした。 研究課題は10人弱で研究を進めているものが多く先生方も力を入れているようでした そんな中 私の研究課題は人気が無くメンバーは私とKとSの3人でした。 やる気の無い連中が3人集まり、適当に終わらせて早く楽になろうと思っていました。 受け持っていた先生も 私達のやる気の無さに気付いてか 「ある程度で終わらせていいけど他の研究は残ってるんだからお前等も一応残っとけ」 などといわれ、研究もしないで放課後の誰もいない教室で遊んでいました。 卒業の近い2月後半位の時期だったので授業が終わると外はすぐに薄暗くなり 教室の中は真っ暗で、そんな所で盛り上がる内容といえば怪談話くらいでした。 Sはそういったオカルト話が得意で、私とKはSの淡々と話す怪談話が大好きでした。 その時もSの怪談話が始まり、真っ暗な中3人でKの机を囲んでいました。 Sが『7人の兵隊』を聞いた人は 一週間枕元に水と御煎餅を供えておかないと殺されるといいましたが 私とKはその手の話に慣れておりその話を聞いた時は怖くもなんともありませんでした 他の話がいくつか終わり 程々に怖さを満喫した時にはもう時計は7時30分を廻っていました。 じゃぁ そろそろ帰ろうかということになり、帰り支度をしていた時のことでした。 Kが教室に腕時計を忘れたから誰か一緒に来てくれと言い出しました。 「俺がついてってやる」と余裕をかましてました。 とりあえず私は怖かったので二人を実習室で待っていることにしました。 10分くらい経っていたでしょうか、二人がなかなか戻ってきません。 「何してんだ・・早く帰りたいのに」と少し切れ気味になっていた私は 待ちきれずに怖いながらも一人で教室に向かうことにしました。 その時 窓から入る月明かりだけを頼りに教室を目指していたのですが 暗さや怖さとはまた別に嫌な感じが私を取り巻いていました。 しかしそんな事より早く帰りたいという気持ちが強かった為 気にせずに教室に向かいました。 中に入ると教室の中は真っ暗で、見た感じ誰かがいる様子はなかったのですが 人の気配はあり「ははぁ あいつ等俺を驚かそうとしているな」と思っていました。 「おぃ!ばればれだぞ!早く帰ろうぜ!」 私は廊下にまで響き渡る声で怒鳴りました。 その時です、私の声に勝る勢いで怒鳴る声がしました。 「来るな!!」 驚きながらもその声のする方を見ると何かがKの机の前でうずくまっています。 なにがなんだか理解できずにいた私は取り合えず教室の電気をつけました。 電気をつけると吐き気も次第に薄れ うずくまっている正体もKだということが分かりました。 「何やってんだよ!おせーよ!」 何がなんだかわからないのと、早く帰りたい気持ちで私は怒りに満ちていました。 「ごめんなさい・・ごめんなさい・・」 Kは顔を伏せたまま痙攣し歩けない程震えていました。 「Sは?Sは何処いった?」 「ごめんなさい・・」 尋常じゃないKの震えで悪ふざけでは無いことだけは分かりました。 長文スマソ。 Kをどうにかおぶさりながら職員室に飛び込みました。 先生を一人つれ 私は教室にもう一度行くと、さっきは気付かなかったのですが 一番左側の窓が開いてカーテンがヒラヒラとしていました。 ついてきた先生とその窓に近づくとSの物だと思われる上履きが 綺麗に二つ並んでいました。 その後 学校中は大騒ぎになり 私は何が起きているのかいまだに分からないまま まだ震えのおさまらないKの横で呆然としていました。 その日の深夜 テレビのニュースでは私の学校で投身自殺があったと報道していました。 学校から直々に呼び出しがあったため 行かないわけにはいかず、親と一緒に登校しました。 学校の周りにはマスコミと思われる車が3、4台停まっていました。 私と親は学校に入るなり会議室に通され そこにはKとその両親とSの両親がすでに待っていました。 Kは昨日より随分落ち着いていたようですが 暗くうつむいたままこちらを向こうともしませんでした。 昨日の出来事を一通り聞かれた私とKは、二人とも当事者であるのに答えは曖昧で 結局なにも分からないまま その日は帰ることになりました。 帰り際 Kが私の近くに来てボソッと「あいつは兵隊に殺された」といいました。 それをいった後Kはそそくさと車に乗って帰ってしまいましたが 携帯にメールで『後で電話する』とメッセージが入ってきたので Kからの電話を待つことにしました。 Kは昨日の一部始終を静かに語りだしました。 KとSが腕時計を取りに行く途中から教室に入るまで に私の感じた吐き気を体感していたようです。 そして、教室に入りKの机の前まで行った所で 激しい目眩と共に二人共教室に倒れこんでしまい 金縛りのような状態になったそうです。 Kの意識はしっかりしていたようで、その後のことも話してくれました。 金縛りのような状態になった後、教室内に7つの人間のような影が現れたと思ったら Sが立ち上がり7つの影と一緒に窓から出て行ってしまった。 あまりの出来事に物凄い恐怖を覚え 体を動かすことが出来ないのが 金縛りのせいなのか震えのせいなのか分からないくらいだったそうです。 教室に行く間KとSの会話の中で Sは『兵隊のお供え物』をやっていないと言っていたそうです。 今となってはその兵隊の呪いのせいかどうかも分かりませんが その時はKも私も(私は一日遅れ)水と煎餅を一週間お供えしておきました。 長文スマソ。 |
編集の人から聞いた話です。 阪神大震災の時テレビ局の報道の部署には、バイク便でテープ マイクロ波での現地からの映像受けなどでおびただしい量の 震災の映像が送られ、編集室はフル稼働、徹夜勤務状態だったそうです。 次から次へとテープを見ては編集してという仕事をしていたとき 編集さんがバイク便で送られてきたテープを再生したのですが、炎しか映っていなかった 「これは使えないな」と思っていたが、女の子の声が大きい声で 「お母さん!!お母さん!!」と聞こえる。 編集さんはテープを見続けた。相変わらず画面に映っているのは炎だけ 何度も何度も女の子の声で「お母さん!」といっていたのですが、ある時間をさかいに その声は聞こえなくなりました。最初から炎の映像は1カットで回り続けていたので 編集さん曰く、「火事で死んでしもうたんやな、、、」 もう6年前に聞いた話です。その人は今でも編集の仕事をしています。 僕は大学を卒業し無職です。 |
その当時私は小学生で、妹、姉、母親と一緒に、どこにでもあるような小さい アパートに住んでいました。夜になったらいつも畳の部屋で、家族揃って枕を並べて 寝ていました。ある夜、母親が体調を崩し、母に頼まれて私が消灯をすることになったのです。 洗面所と居間の電気を消し、テレビ等も消して、それから畳の部屋に行き、母に家中の電気を 全て消した事を伝えてから、自分も布団に潜りました。横では既に妹が寝ています。 普段よりずっと早い就寝だったので、その時私はなかなか眠れず、 しばらくの間ぼーっと天井を眺めていました。 すると突然、静まり返った部屋で、「カン、カン」という変な音が響いだのです。 私は布団からガバッと起き、暗い部屋を見回しました。しかし、そこには何もない。 「カン、カン」 少しして、さっきと同じ音がまた聞こえました。どうやら居間の方から鳴ったようです。 隣にいた姉が「今の聞こえた?」と訊いてきました。空耳などではなかったようです。 もう一度部屋の中を見渡してみましたが、妹と母が寝ているだけで、部屋には何もありません。 姉もさっきの音が気になったらしく、「居間を見てみる」と言いました。私も姉と一緒に寝室から出て、 真っ暗な居間の中に入りました。そしてキッチンの近くからそっと居間を見ました。 そこで私達は見てしまったのです。 居間の中央にあるテーブル。いつも私達が食事を取ったり団欒したりするところ。 そのテーブルの上に人が座っているのです。こちらに背を向けているので 顔までは判りません。でも、腰の辺りまで伸びている長い髪の毛、ほっそりとした体格、 身につけている白い浴衣のような着物から、女であるということは判りました。 私はぞっとして姉の方を見ました。姉は私の視線には少しも気付かず、その女に見入っていました。 その女は真っ暗な居間の中で、背筋をまっすぐに伸ばしたままテーブルの上で正座をしているようで、 ぴくりとも動きません。私は恐ろしさのあまり、足をガクガク震わせていました。 声を出してはいけない、もし出せば恐ろしい事になる。その女はこちらには全く振り向く気配もなく、 ただ正座をしながら私達にその白い背中を向けているだけだった。 私はとうとう耐え切れず、「わぁーーーーーっ!!」と大声で何か叫びながら寝室に飛び込んだ。 母を叩き起こし、「居間に人がいる!」と泣き喚いた。 「どうしたの、こんな夜中に」そういう母を引っ張って、居間に連れていった。居間の明りを付けると、 姉がテーブルの側に立っていた。さっきの女はどこにも居ません。テーブルの上もきちんと 片付けられていて何もありません。しかしそこにいた姉の目は虚ろでした。今でもはっきりと その時の姉の表情を覚えています。私と違って、彼女は何かに怯えている様子は微塵もなく、 テーブルの上だけをじっと見ていたのです。 母は不思議そうな顔をしてテーブルを見ていましたが、「早く寝なさい」と言って3人で寝室に 戻りました。私は布団の中で考えました。アレを見て叫び、寝室に行って母を起こして居間に 連れてきたちょっとの間、姉は居間でずっとアレを見ていたんだろうか? 姉の様子は普通じゃなかった。何か恐ろしいものを見たのでは?そう思っていました。 そして次の日、姉に尋ねてみたのです。「お姉ちゃん、昨日のことなんだけど・・・」 そう訊いても姉は何も答えません。下を向いて、沈黙するばかり。私はしつこく質問しました。 すると姉は小さな声でぼそっとつぶやきました。 「あんたが大きな声を出したから・・・」 それ以来、姉は私に対して冷たくなりました。話し掛ければいつも明るく反応してくれていたのに、 無視される事が多くなりました。そして、あの時の事を再び口にすることはありませんでした。 あの時私の発した大声で、あの女はたぶん、姉の方を振り向いたのです。 姉は女と目が合ってしまったんだ。きっと、想像出来ない程恐ろしいものを見てしまったのだ。 そう確信していましたが、時が経つにつれて次第にそのことも忘れていきました。 姉は県外の高校に進学し、寮で生活して、家に帰ってくることは滅多にありませんでした。 ある夜、遅くまで机に向かっていると、扉の方からノックとは違う、何かの音が聞こえました。 「カン、カン」 かなり微かな音です。金属っぽい音。それが何なのか思い出した私は、全身にどっと冷や汗が 吹き出ました。これはアレだ。小さい頃、母が風邪をひいて、私が代わって消灯をした時の・・・ 「カン、カン」 また鳴りました。扉の向こうから、さっきと全く同じ金属音。 私はいよいよ怖くなり、妹の部屋の壁を叩いて、「ちょっと、起きて!」と叫びました。 しかし妹はもう寝てしまっているのか、何の反応もありません。母は最近ずっと早寝している。 とすれば、家の中でこの音に気付いているのは私だけ・・・。独りだけ取り残されたような 気分になりました。そしてもう1度あの音が。「カン、カン」 私はついにその音がどこで鳴っているのか分かってしまいました。 そっと部屋の扉を開けました。真っ暗な短い廊下の向こう側にある居間。そこはカーテンから漏れる 青白い外の光でぼんやりと照らし出されていた。 急速に蘇ってきました。あの時と同じ姿で、女は白い着物を着て、すらっとした背筋をピンと立て、 テーブルの上できちんと正座し、その後姿だけを私に見せていました。 「カン、カン」 今度は、はっきりとその女から聞こえました。 その時私は声を出してしまいました。何と言ったかは覚えていませんが、またも声を出して しまったのです。すると、女は私を振り返りました。女の顔と向き合った瞬間、私はもう 気がおかしくなりそうでした。 その女の両目には、ちょうど目の中にぴったり収まる大きさの鉄釘が刺さっていた。 よく見ると、両手には鈍器のようなものが握られている。そして口だけで笑いながらこう言った。 「あなたも・・・あなた達家族もお終いね。ふふふ」 次の日、気がつくと私は自分の部屋のベッドで寝ていました。私は少しして昨日何があったのか 思い出し、母に居間で寝ていた私を部屋まで運んでくれたのか、と聞いてみましたが、 何のことだと言うのです。妹に聞いても同じで、「どーせ寝ぼけてたんでしょーが」とけらけら笑われた。 しかも私が部屋の壁を叩いた時には妹は既に熟睡してたとのことでした。そんなはずない。 私は確かに居間でアレを見て、そこで意識を失ったはずです。誰かが居間で倒れてる私を見つけて、 ベッドに運んだとしか考えられない。でも改めて思い出そうとしても頭がモヤモヤしていました。 ただ、最後のあのおぞましい表情と、ニヤリと笑った口から出た言葉ははっきり覚えていた。 私と、家族がお終いだと。
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昔の母校、今はもう廃校となってしまいましたが、 当時としては珍しく、その校舎にはエレベーターがありました。 エレベーターと言っても、現代のような完成されたものではなく、 吹きさらしの「かご」をワイヤーに吊るしたものといった御粗末な ものでした。 そんな校舎で、やはり事故が発生してしまったのです。 ある女子生徒がエレベーターに挟まれて、即死状態というものでした。 事故の原因は、1階のエレベーターが降りる空洞部分に「髪飾り」を 落としてしまい、それを取ろうとした女子生徒が不運にもエレベーターの 下敷きになってしまったということです。 それ以来、エレベーターは使用禁止になってしまいました。 それから約2年ほど経った頃(昭和43年頃)のことですが、 その校舎にも夜間警備員が常駐されるようになりました。 にわかに警備員が夜間に幽霊らしきものを目撃するといった話しが現れて きたのです。その話しを聞くと、新米の警備員が夜間にエレベーターを動かそうと すると、どうやらエレベーターが行きつく最上階から、怒号がするというのです。 「ウ ゴ カ ス ナ ッ」 更に、青白く半透明で薄く押しつぶされた霊魂を見たとのことです。 それ以来、その話しは校舎に纏わる伝説となっており、 今も尚、エレベーターは動かず安置されているとのことです。 |
そこ、ムカデとかネズミとか出てたんですね。 そんで、そういう家って夜中に天井とか壁から、カサカサとか ガリガリって音が聞こえるんですよ。ネズミが歯を研いでるような音。 新居に引っ越す時に、天井裏上がって荷物全部外に出したんだけど、 案の上、ネズミが作ったようなヘンな紙の塊とか、穴空きダンボールとか 色々あったんですよ。 ネズミとかまだ居るんじゃねーのかなって思って、 いつも音が聞こえてた所に行ってみたんです。 そしたら、まるで人が引っ掻いたような爪の跡が・・・ そんでその丁度真上の屋根板部分に御札が(涙 今まで体験したなかでマジで怖かった話です。 |
あれは3年ほど前の12月22日だったな、俺は長期出張で広島にいた。 夏からずっといて、出張最後の夜だった。 で、最後の日だってんで会社の連中が打ち上げなんかしてくれて、かなり酒飲んでイイ気分だった。 終わって一度宿泊先のマンスリーマンションに帰ったんだが、俺的に良い夜だったので、散歩を思い立ち広島城まで歩いてった。 城跡の夜景を堪能したあと、帰ろうと思い来た道を戻っていた。 とある団地のそばを通りかかった時、かすかに声が聞こえてきた。「…さん」 「おっさん」 声のするほうを見ると、街灯が作る木の陰あたりから声がするが何も見えない。 空耳かと思い踵を返すと「無視すんなよ!」とはっきり聞こえた。 よーく見ると、件の木の陰に白い棒のような物が見える。 「俺のことか?」と問い掛けると、棒が動いた。 棒と思ったのは、なんとルーズソックス。 出てきたのはガン黒の女子高生?が6人ほど出てきた なにせ紺のブレザーを着崩して顔も真っ黒。 白いものと言えば、ルーズソックスだけという出で立ちだった。 俺おっさんじゃないぞなどと考えていると(当時28)、リーダーらしいのが「おっさん金貸してくれよ」 続く 「はあ?貸す金なぞ無い!」というと、「うっせい!」と一斉に得物を取り出した。特殊警棒とナイフだ。 ナイフの刃を光らせながら、リーダーが「なめてんのか!だせばいいんじゃ!」などと凄んで来る。 まずいと思ってたら、あることを思い出した。 出る時何気にコートの下に、電動ガンを吊っていたのだ。 ラッキーと思いながら、引っ張り出すなりミニスカからのびる太ももめがけて全自動で撃ちまくった。 距離も近かった(5m?)ので狙いどおりに命中し山姥軍団も不意を付かれたのか、事態が飲み込めないうちに足を押さえて倒れこんで行く。さらに撃ちながら後退し、敷地から出たところで銃を仕舞って、部屋まで帰りついた。 翌日俺は何食わぬ顔をして広島を後にした。 それから、1週間ほどしたある日新聞を見てたら、白○の地下歩道で殺人があった。 朝飯食いながら斜め読みしてたが、ある1文が目にとまった。 殺人の前状況として、現場で女子高校生同士(?)の喧嘩があってたらしい、というものだった。 もちろんそうではないと思うが、1週間前のことが思い出された。 まさかあいつらが? それとも、あいつらの誰かが被害者となったのか? その後おっかなくてその関連の記事は読まなくなった。 もしあの山姥共がやったのなら、俺のときの事を警戒していきなり襲ったかもしれない。 まずかったかな? 以上、長文で失礼 信じるかどうかはお任せ。 |
そのぐらいの年頃っていろいろ自分の中で決め事って作りませんでした? いわゆる「ジンクス」っていうんですかねえ。 『横断歩道は白いところだけを歩かないと今日は良くないことがある』とか 『自転車にのって学校から家に帰るまで一度も足をつかないといいことがある』とか。 それは本当に自分の中だけで決めたものもあれば、友人との話の中から生まれたもの、 「口裂け女のポマード」(古っ!)のように雑誌などから知ったもの。 本当にいろいろありました。 そんな中、俺が一番信用していたものがありました。 それは「目の前を黒猫に横切られたら…」というものです。 「目の前を黒猫が横切ると良くないことがある」というのは まあ一般的に不吉とされている迷信ですよね。 これを防ぐと言うか、横切られても不吉なことが起きないようにする「ある」行動があったんです。 これはなぜか必ず実践していました。 近所で何匹も猫を飼っている家があり(黒猫もいました)自分自身あまり猫が好きでないという事が そのジンクスを信じさせる理由であったように思います。 その行動とは、とても簡単なことです。 「横切られたら13歩後ろ向きで戻ってから歩き出す。」 こうすれば、その後不吉なことが身に降りかかることは無い。 確か何かの本で読んだんだと記憶してます。 大きな通りは友人何人かで帰ってきますが、自宅の方へと向かう小道からは一人。 小道に入ってから周りはご近所が数件あるだけの街灯も少ない寂しい道です。 が、ほんの100mぐらい歩けばすぐに家です。 「じゃーなー」 「おお、また明日!」 挨拶を交わし友達と別れ、ふと空を見ると昇りかけの月。 (ネタではなく)今まで見たことのないような真っ赤な月でした。 背筋がゾクっとして何かいいようのない不安感に包まれました。 「う〜気味悪ィ〜早く帰ろー」 テクテクテクテク…… いつも通っている道とはいえ、一人で夜道と言うのはあまり経験の無い年頃でしたので 足早に家に急ぎました。 そして自宅の四軒隣のたくさん猫を飼っているSさん宅と、その隣のWさん宅を通り過ぎる時、 目の前をサーッと猫が通り過ぎました。 「うえ〜黒だったよ…ついてねえなあ。」 暗い帰り道、早々に家に帰りたいのはやまやまですが、 もちろんです。 ジンクスを信じている私はピタッと足をとめ、後ろ向きに歩き出しました。 「1・2・3・4・5…10歩・11歩…」 13歩戻ったと同時でした。 「…猫かい…?」 自分のすぐ後ろから声がしたのです。 くるっと振り返ると目の前にその声の持ち主、Wさん宅のおばさんがいました。 『いつの間に後ろにいたんだろう…さっきまでは誰もいなかったのに…』 『猫かい?って見てたんだろか?でも黒猫が通り過ぎた時はおばさんはいなかった…』 そんなことをグルグルと頭の中がめぐっていました。 「うふふ。猫なんだろ。」 暗闇の中でWおばさんがニタリと笑いながらまた言いました。 よく見ると何かいつものWさんとは違う顔をしています。 もともと目の細いひとでしたが、目じりがキッとあがっていて 『猫みたいだ…!』瞬間的にそう思いました。 ニヤッとした口元もやけに赤く大きく見えました。 『何かいやだ!13歩戻ったし急いで帰ろう!』 「え、ええ。それじゃ…さよなら」 それだけ言って家に向かってダッシュしようとした時! 「あーっははははははっ!」 いきなりおばさんが大声で笑い出したのです。 『怖いっ!』 暗闇での笑い声。恐怖が完全に体を支配していました。 もう後ろを振り返る余裕はありません。 体中に鳥肌を立てながら全速力で走りました。 遠ざかりながらも笑っている声が聞こえてきます。 「…アーッハハハッ…」 とにかく走りました。 時間にするとホントに十秒ぐらいだったと思いますが、 『早く家に!早く家に!』とだけ考えていました。 そして… 「ただいまっ!はあはあ…」 家に飛び込み息を弾ませている私を見て母がきょとんとしてこう言いました。 「どうしたの?猫?」 「どうしたの?猫?」 という言葉にはかなりビビリましたが、 (目立って嫌悪感をあらわにしていたつもりは無いのですが、私が猫嫌いって知ってれば納得です。) その後「早く着替えてご飯食べちゃいな!」 「ほらほら、なにぼーっとしてんだよーお風呂に入って!」 など、さっきの出来事は何か勘違いだったんじゃないかと思わせてくれるぐらい 母はいつもの通りで私をあっという間に現実に戻してくれました。 (まあ、別に幽霊見たって訳ではないしな…。何度か黒猫に横切られて後戻りしたことあるし、 それを以前Wおばさんに見られてたのかも。そりゃ笑われるか…俺もビビリだなあ。) そんな風に思ってその日はぐっすりと寝たのでした。 そして翌日 休日午後、居間で昼寝をしていると何やら話し声がするので目を覚ましました。 「あら〜わざわざ。」とか「わたしも行きたいわ〜」とか玄関口で母が誰かと会話しているようです。 むくっと起きて玄関口に向かうと 「それじゃあ、どうも〜」と誰かが帰っていくところでした。 「誰〜?」 「ん〜Wおばさんだよ〜」 昨日の今日だしドキッとしました。 なんだよ〜わざわざ昨日の俺の事でも話に来たのかよ、とも思いました。 恥ずかしいじゃんかよ。なんて感じで。 しかし、母の言葉は自分をまた恐怖させるのに充分でした。 「Wさんち、家族でおとといから温泉に行ってて今帰ってきたみたい。早速御土産もらっちゃって…」 じゃあ昨日会ったWおばさんって誰? |
2ヶ月前にあった話なんだけど・・・。 家を立て替えるために、借家に住んでいたんです、2月前まで。 そこの借家は結構人の出入りが激しくて、なぜか長期間居着く 人が居ないんだけど、建てている家から近いからそこを借りる ことにしたんです。 そこで話は変わるのですが、家には10年前から飼っている柴犬がいるんですよ。 室内で飼っているんですけど、散歩とかエサやりを僕が行っているせいか僕に 一番慣れているんですね。それで、僕に向かって吠えかかるなんてことは滅多 になかったんです、今まで。 でも、その借家に移ってから、僕が風呂に逝こうとすると犬が必死になって 吠え出すんですよ。親が風呂逝こうとしてもうんともすんとも言わない。 でも、僕が逝こうとするそぶりを見せただけで吠え出す。 「お前、何がしたいんだー」って最初はからかって遊んでいたんですが・・・。 続きます。 ような気がしていたんです。お湯につかって頭がぼーっとしてたり、 頭洗ったりしたせいかなって思って特に気にもしなかったんですよ。 それから、特に僕には何もなかったのですが、犬の具合が悪くなりだして 背中を丸めて首筋を触ると痛がるようになったんです。 医者に見せたら、筋を痛めているようだ、と。何か強くひっぱったりしま せんでしたかって聞かれたのですが、心当たりなし。年のと、環境が かわったからかなって話で決着して痛み止めもらって帰ってきました。 そうこうしているうちに、建て替えが終わって新しい家に引っ越したんですが とたんに、風呂に入っても犬が吠えなくなったんですね。 それに、犬の首の痛みも引いたみたいで。 やっぱり環境かなーって言っていたんですけど・・・。 ただ、気になることと言えば、そこの借家で野良猫が死んでいるのを3回 ほど見ました。いずれも年をとった野良猫だったので、寿命だとは思います が。 |
俺たちは有名な廃病院に逝くことになった。 そこは元精神病院で、深い山中に建っていた。 廃病院に着くと、なんともそれっぽい雰囲気が漂っていて、いかにもな感じだった。 中の空気はひんやりとしており、朽ち果てた院内にはDQN参上!系の落書きなどがあっ た。 しかし他に何が出るわけでもなく、めぼしいものは、患者のものであろうか、 窓辺に座らせてあった赤い人形くらいだった。 友達の一人Aがそれを拾い上げると、いきなりとんでもないことをしでかした。 人形の首をねじ切って、頭を窓から投げ捨てたのだ。 俺は慌てて言った。 「なにしてんだよ!」 「首が無いほうが後から来たやつら怖がるんじゃねえかな。」 Aはそう言い、人形を地面に捨てた。 そして俺たちは病院を後にした。 続く。 車を走らてからしばらくして、俺は尿意を催した。 「ちょっと止めてくれ。立ちションしてくる」 俺は少し林の中に入った。 適当な場所でチャックを下ろし、何気なく前方遠くの山を見た。 緩やかな線を描いているはずの山の端が、一箇所だけ不自然に半球状に盛り上がっている。 なんだろう?そう考えてからすぐに気付いた。 目の前に誰か居る。 心臓が縮み上がるような感覚に襲われ、俺は身動きが取れなくなっていた。 眼前わずか20cmほどに、俺よりもやや身長が高めの真っ黒い影がある。 暗闇には既に目が慣れているはずだったが、 目の前のそれはまさに影そのもので、表情はおろか性別すらもわからない。 しかしモヤのようではなく、確かに俺の前に存在している。 そして影は口を開き、こう言った。 「首をとったのは……あなた?」 その声は中性的で、女性の声をスローで再生したような声だった。 即座にあの赤い人形を思い出した。 全身総毛立ち恐怖で失神しそうになりながらも、 俺は首を横に振るだけで精一杯だった。 俺の意図が通じたのか、影は一瞬だけぐにゃりと揺らぐと、 頭のてっぺんを何かにぴっぱられるような動きで俺の横を通り抜けて逝った。 俺はその場にへたり込み、しばらく震えていたが、首を千切った友達のことを思い出し、車に急いで戻った。 車はハザードランプを灯していた。 続く。 駆け寄ると、中にはハンドルに突っ伏しているAの姿があった。 もう一人は後部座席で寝ている。これは最初からだ。 「おい!A!大丈夫かA!!」 Aを揺さぶり声を掛け続けるも、Aは気を失っているようでまったく反応しない。 後部座席で寝ているBを起こし、とりあえずAを後部座席に移すと俺たちは急いで車を出した。 しばらくしてAは意識を取り戻した。 Aの顔色は土色で、血の気が完全に失せていた。 「大丈夫か?」 Aは何も答えない。 俺はAに林の中で会ったモノのことを聞いてみた。 「あいつに何かされたのか」 「あいつってなんだよ?」 ずっと寝ていたBは横から口を挟んだ。 「あぁ、林の中で…」 「やめろ。」 言いかけた途端Aがそれを制した。 そしてその日はそれ以上あの件について触れることなく解散となった。 その後も何度かAに何があったのかを聞いてみたが、 そのたびにAは押し黙り、絶対に教えようとはしなかった。 なぜAが話したがらないのかはわからない。 今でもこの話は俺たちの間ではタブーになっている。 |
僕と友人は毎日のように宿題もせずに遊び回っていました。 八月の終わり頃、宿題にも手をつけずに僕らはいつものように公園でアイスを食べていました。 そんな時、友達が「もう夏も終わるから最後にプールいこうよ」と言いました。ただ漫然と夏休みが終わるのを待っていた 僕なので、断る理由もなく二つ返事で2駅離れた市民プールへと出かけていきました。 その日は気温が40度近くせまりまさに水遊び日和でした。さぞプールも混んでいるのだろうと思っていましたが意外にも人気がなく 快適にあそんでいました。 30分くらい遊び、休憩をとるためにプールサイドにあがった時のことです。友達がぽつりといいました。 何気なく水上滑り台に目をやりました。本当に無意識に。だいたい市民プールの滑り台なので5〜6メートルくらいです。 その滑り台の頂上、 「???」と思いながら良く見ると六歳くらいの少年が手すりの上に登ろうとしています。 監視員も死角になって見えない様です。すると友達が言ったように、男の子をは手すりに上がったと同時に足を滑らせて 落下しました。なんとも言えない、「ごつっ」でも「ぐしゃっ」でもない人間が叩き付けられると音がして滑り台下のプールは 茶色や赤に染まっていきます。この光景は今でも頭からはなれません。 そのあとプールは大騒ぎになりました。わずかな入場者もすぐに帰されました。帰る道すがら友達に「どうしてわかったの?」と 聞いてもなかなか口を開きません。ただ「見えたんだ」と一言いっただけです。すぐさま それきり友達も僕も無言で家にかえりました。 血だらけの女性は誰かわかりません。そのプールでも女性にまつわるようなそんな事故があった とは聞いた事がありません。ただ、その最寄りの駅の踏み切りに前々から肉塊になった子供を抱いた血まみれの女性がでるという 噂はあります。踏み切りに飛び込み自殺をした親子の霊なのだそうですが関連はわかりません。 お目汚し失礼 |
[前編] 今から5年ほど前の話である。 私の父の知り合いの奥さんの話なのであるが、この女性は長きにわたってある病気で苦しんでいた。 様々な病院を転院し、最終的に某病院であるステロイド系の薬剤注射を用いた治療を受ける事となった。 この薬剤の効果は劇的で、彼女の病状はみるみるうちに好転した。 が、治療を始めて数ヶ月が経った後、彼女に異変が起こった。 彼女が奇妙な行動をとる様になった。 「自分の体じゅうに虫が這いずり回っている」と叫んで体中をかきむしったり、「部屋の隅に黒い小人が盆踊りをしている」等と意味不明なことを口走ったりした。 最後には「ウガが追いかけてくる!ウガが追いかけてくる!来るなぁ!来るなぁ!」と叫んで、病院中を駆けずり回る始末・・・・・ついに彼女は「隔離病棟」に移される事になった。 担当医師はこんな事になった原因が全くわからなかった・・・・・が、1年後に驚愕の事実を知る事となった。 なんと治療に用いられていたステロイド系薬剤に「中枢神経に障害を与える重篤な副作用を引き起こす危険性がある」事が明らかになったのである。 上記の事実が明らかになるまでの間、ずっと「投薬治療」は行われ続けた・・・・・・・・・・・ 当然、即刻、投薬は中止されたが、既に彼女はその薬剤によって相当に精神を蝕まれていた。 その後数年間、彼女は幻視・幻聴に苦しむ事となった。 そしてある日、彼女は車で外出し・・・・・行方不明になった。 彼女の夫(父の知り合い)は必死になって彼女の行方を捜したが、彼女は見つからず・・・・・・ 私の父と「彼女の夫」は「釣り友達」で、釣り場へ向かうためによく「横・横道路」を利用していた。 久しぶりに「静岡方面」に遠出する事となり、朝早く車で出発した。 車が「横・横道路」の横須賀側入り口に入るちょっと前の事である。 道が左右に分かれているのであるが、「彼女の夫」は「見慣れた車」が工事中の左手の道に止まっている事に気がついた。 思わず・・・・「悪い。*ちゃん(私の父のニックネーム)、ちょっと車を左方向につけてくれないかなぁ?」 と口走ってしまった。 父は不思議に思いながらも、車を左方向に向けて一時停止した。 「彼女の夫」は車を降り、乗り捨てられた車のほうに歩いていった・・・・・・ 「おい!*ちゃん。どこ行くんだよぉ。」と父は声をかけたが、「彼女の夫」の様子がただならない事に気づき、後についていった。 呆然と立ち尽くす「彼女の夫」・・・・「この車、うちのだ・・・・・」 これを聞いてピンときた私の父だった。 まるで何かにとりつかれた様に先を進んでゆく「彼女の夫」。後に続く父・・・・ 道は上り坂となって先に続いていた・・・・・・その先は「旧阿部倉トンネル跡」である事をまだ二人は知らなかった。 が「彼女の夫」はあたりを進む事を止めようとしない。 「**が近くにいるかもしれない。」 「まさか・・・こんな所に・・・・」と父。 「!」 「?」 二人はほぼ同時に同じ方向をむいた・・・・・・ ある方向から「異様な臭い」が漂っている事に気がついたのだ・・・・・ この時父は「最悪の状況」を想像した・・・・そしてその予感は見事的中する事となる。 彼らの十数m先に・・・・・「グレー色の何か」が転がっていた。 すぐさまそれに向かって歩き出す「彼女の夫」、 がその時、耳をつんざく凄まじい音が響いた。 あまりの音の大きさにたじろぐ二人。 みると「無数の黒い小さな虫の群れ」が飛び回っていた・・・ ・・・・・無数のハエの群れだった・・・・・・ そして二人は目前にした、「蛆まみれの焼死体」を・・・・色がグレーがかっていたのは、無数の蛆が死体をむさぼっていたのであった・・・・・ 周囲には数個のポリタンクが散乱していた。 (焦げているものもあり、それは生々しい状況だったと後に父は私に語った。) 絶句する二人・・・・・。 ちなみに父は見事に腰を抜かしてしまった。「彼女の夫」は呆然とするばかり・・・・・ とりあえず、父が携帯電話で110番通報。 20数分で警察が到着し、二人は事情徴収を受ける事となった。 刑事の話によれば「今年はこれで3人目です」との事。 後に・・・・・歯型及び血液型から、遺体は「彼女」であることが確認された。 死体はかなりの程度で焼け焦げていた事から、「ガソリンで焼かれた事によるもの」という結論となった。 司法解剖及び組織検査の結果から、「彼女は生きたまま焼かれた」事が明らかとなった。 遺書は見つからず、現在でも「自殺か他殺か不明」との事である。 が・・・・それ以来、トンネル内を「肝試し」として踏破する者たちの間にある噂が広まった。 参加者に「髪の長い美しい女性」がいる時に、「ある事」が起こるという・・・・・・・・・・ こういう馬鹿どもはどこにでもいるが、大体の場合「な〜んだ、たいした事ねーじゃん」という事で終わる。 が、こういう連中はただ単に「幸運」であるに過ぎないのかもしれない・・・・・ この時、参加者の中に髪の長いかわいい娘がいた。 野郎どもの目的は「ここでいいかっこして、彼女にアクセスするチャンスを作ろう」という事で、魂胆が見え見えである。 だが・・・・彼女がこの後訪れる「想像を絶する経験」をする事を、だれも知る由も無かった。 トンネルに入って数分後・・・・・ 彼女は「誰かに見られている」とても気持ちの悪い気配を感じ取っていた。 彼女は「霊感の強いほうではない」。 が、何かねっとりした視線が自分に向けられている事を感じていたのである。 「何か私・・・・ちょっと気分が悪い・・・・」と彼女がポツリともらした。 「大丈夫。大丈夫。何も起こりゃあしないって。」と男性参加陣。 「あたしも気持ち悪〜い♪」と女性陣。 「あ〜そうかい。そうかい。お気の毒に。」 「なによぅ。**ちゃんばっかり、信じらんな〜い。」 「うっせーなぁ。(おまけどもが)」 「何ですって!」 が・・・・その時、「アナタキレイネ・・・・・」という声がまじって彼女の耳に入ってきた。 「!」 「・・・・・気のせい、気のせい・・・・早く出たいなぁ。こんな所・・・・」と彼女は思った・・・・ が、次の瞬間、 「アナタキレイネ・・・・トテモキレイ・・・・」更にはっきりと分かる声が彼女の耳に聞こえてきた。 低く・・・・抑揚のない・・・・・が何か威圧感のある声が・・・・ ・・・・・えっ?・・・・・私? 「ソウヨ・・・・アナタ・・・・アナタ・・・・」 「!!!!」 「どうしたの?**ちゃん。びくっとして。」 「ちょっと・・・・あたし、何か変な声聞いたんだけど・・・・・」 「????」 「????」 「????」 「・・・・・・(オイマジカヨォ・・・)何て?」男の一人が尋ねた。 「・・・・あなた、きれい・・・だって」 「へ?」 ・・・・・・・場内大爆笑・・・・・・・・・ 「**ちゃんって、意外と自意識つよいんだぁ♪」と女性陣。 「違うよぉ。ホントに聞こえたんだってばぁ。」 「脅かし方は下手だねぇ・・・・」と男性陣。 ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ ・・・・・何か「水が滴り落ちるような音」が後ろから聞こえてきた・・・・ それも徐々に大きくなってくる・・・・・ 「!」 「!」 「!」 そのうちその音は何か濡れているものを引きずっているような音に変わってきた・・・・ 「・・・・何か私たちの後からついてきてる・・・・」 「おい、冗談だろ?」 「天井から水がたれてきているだけだって。」 ところが、メンバーの中で自称「霊感のある」男性・・・・仮にAとしよう・・・・は後ろを振り返って絶句した・・・・ 「お前ら!!走れ!!」とAは叫んだ。 ただならぬAの様子に全員が浮き足立った。 「おい、何なんだよ?」 「何大きな声上げてんのよ!」 「いいから!走れ!」 ・・・・・ともかく、一団は一斉にトンネル出口へと走り出した・・・・・・・「髪の長い彼女」を除いては。 !!!!どうして?体が動かない!!!! 恐怖心のせいなのか、それとも別の何かなのか?彼女は身動き一つ出来ない状態になっていた。 ・・・・・まさか、これって、金縛り?やだぁ!こんなの!!!! ずりゅっ・・・・ずりゅっ・・・・ずりゅっ・・・・ずりゅっ・・・・ずりゅっ・・・・ずりゅっ・・・・ ・・・・音はだんだん近づいてきた・・・・・ ・・・・あれ??? あ・・・・体が動く・・・・あれ???何で?? 「アナタミタイナヒト・・・・マッテタノ・・・・ズットズットマッテタノ・・・・」すぐ耳元で声がした。 「きゃああああああっ!!!」彼女は逃げ出した・・・・・・・が出来なかった。 何者かが自分の髪を掴んでいる・・・・・ 何?何?何何何何????? 彼女が振り返った瞬間! 「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」 凄まじい彼女の悲鳴がトンネル内にこだました・・・・・・ 走っていた全員がその声に驚き、立ち止まった・・・・・ 「彼女・・・・・つかまっちまった・・・・・」Aがうわごとのようにつぶやく。 「何につかまったんだよ!おい!おい!A!しっかりしろよ!!!!」 「あれっ?**ちゃん、いないよぉ・・・・」 「!」 「!」 「まさか・・・・・おい!おまえら、戻るぞっ!」 「おい・・・・何だよ、見捨てる気かよ!お前ら!」 Aを含む数人の男性が来た道を戻って「彼女」を探すこととなった・・・・・ しばらくして・・・・・懐中電灯の明かりが人影を捕らえた。誰か、倒れている・・・・「彼女」だった・・・ 「おい!しっかりしろっ!大丈夫かぁ!」 Aが彼女を抱き起こそうとしたとき、手にヌルッとした感触が走った。 「?」 「・・・・何だこりゃあ・・・・・って・・・・血????」 「おい!しっかりしろっ!大丈夫かぁ!」 「おい・・・・A、彼女をよく照らしてみろよ・・・・・・」 「!」 「!」 「!・・・・・・おい・・・・・これって・・・・・」 ・・・・・・・「彼女」は頭から相当量の出血をしていた・・・・・倒れた時に頭を打ったのだろう・・・・ が・・・・彼女の頭には髪が一本も無くなっていた・・・というより、何かに「根こそぎ引き抜かれていた」のである・・・・・ 絶句する彼らの頭上で抑揚のない声が響いた・・・・・ 「ワタシ・・・・スットマッテタノ・・・・・ズットマッテタノ・・・・・ワタシノカミ・・・・モエテナクナッチャッタカラ・・・・」 「ホシカッタノ・・・・キレイナカミガ・・・・ズットホシカッタノ・・・・」 「コンドハ・・・・・アナタタチノ・・・・・ハダヲチョウダイ・・・・・ハハハハダダダダヲヲヲヲチョウダアアアイイイイ!!!!!!」 ・・・・彼らは彼女を抱え、ほうほうの呈で逃げ出した。 この事があって以来、「髪の長い女性」や「肌のきれいな人」がトンネルに入ると、「トンネル内を彷徨う何か」に襲われる・・・・という噂がまことしやかに流れている・・・・・ この噂が流れて以来、肝試し目的で「トンネル跡」に来るカップルはいなくなったという・・・・・ |
同級生が一軒家に引っ越したが、水まわりがイカレていたのか、 そういう土壌だったのか、コオロギが大量発生するのだ、と話してくれた。 お母さんが一日じゅうコオロギを退治するのだ、と言っていた。 それから半年ほど経って、その子の家に遊びにいった。 いわゆる建て売り住宅。玄関を開けると土間のところに一匹のコオロギ。 ああ、そう言えば大量発生で大変なんだっけ、と思い出しつつ中に入った。 台所でモーターの唸る音がする。それが止むと奥から友人の母親が出てきた。 友人と二人、台所に通され、菓子を御馳走になっていた。 と、キッチンに大きめのミキサーが置いてある。さっきの音はこれらしい。 だがチラリと見て、違和感を感じた。ガラスの容器の中身。胡麻?漢方薬? そこに母親がどこからか戻ってきた。手の中には大量のコオロギ。 それをミキサーの中に投げ入れるとスイッチをひねり、それをじっと見つめている。 「ウチのお母さん、少しアタマおかしくなっちゃったの」 友人は少し困ったような顔をして、菓子をほおばっていた。 |
A子は小学校のころは仲良かったんだけど、中学に入ってからあまり話していません。 A子と私の友達グループが違うのもあるんだけど、A子は私のことが気に入らない みたいだったんです。 小学の頃、大人しかった私をかまっていたのがA子でしたから、 中学に入ってからA子以外の友達を作っていった私が何か不満だったのかもしれません。 特に霊感のある私がその手の話を友達としているのが気に入らないみたいでした。 ある日、男の子達が学校の近くにある古い家(廃墟)に肝試しにいった話を していました。私は通学路の近くにあるあの家は何か嫌な感じがしてたので、 友達とあの家には行かないほうがいいよ〜みたいな話をしていました。 そしたらA子が突然話に割り込んできて、 「幽霊なんているわけ無いじゃん、馬鹿じゃないの?!」って怒るんです。 私はA子が怒る理由がなんとなく解ってたので、 「そうだよね、いるわけないよね・・・」といってA子を宥めていました。 続く なんとなく私もA子が怒ったまんまなのが納得いかなかったので、 放課後A子に謝ろうと思いました。 A子は私が話し掛けても怒っている感じはなかったんだけど、 私だけが幽霊が見えるっていうのが変だよ。って言われました。 丁度その頃、「ほんとうにあった呪いのビデオ」というのが クラスで噂になっていたので(レンタルビデオで借りれる奴ですよ) A子はそれのビデオの影響を受けてか、 私に「廃墟の映像をとってきてあげるよ」と。 A子があの廃墟にいくのはどうしても気が進まなかったんだけど、 幽霊がでるから行くのはやめて、なんて言ったら、 まだそんなこと言うの?って言われそうだから止めました。 続く 結局、A子はあの廃墟に行ったみたいで、 翌日私はA子からビデオテープを渡されました。 「何も出なかったよ。幽霊なんていないんだって」 家に帰ってからビデオ見てみたんです。 ビデオにはあの廃屋の中をA子の視点で見てまわる様子が しばらく映されていました。 A子が廃屋の和室っぽい部屋に入ったとき、 A子のカメラ視点がチラチラと何度も、奥の壁にかかる掛け軸に行きました。 A子は明らかに掛け軸が気になってたみたいなんです。 続く 最初の何度かは掛け軸は何も映ってません。 でも何度か掛け軸の周りを映すうちに、私が時々感じる変な感じが襲ってきました。 寒くも無いのに背筋がゾクゾクする感じ。 A子、ヤバイよ、逃げて。 A子のカメラ視点はその部屋から出ようとしていました。 A子が最後に何度か掛け軸を写します。 掛け軸の後ろに何か見えました・・・ 白い手みたいなものが、手、腕、肩と掛け軸から、 誰かが出てきている・・・ そこでA子のカメラ視点は廊下に移りました。 A子本人は何も見えてなかったみたいなんだけど、 なんとなく不安になっているのか、気配を感じたのか、 早足で廊下を歩いているようです。 自分の後ろが気になるのか、何度もカメラ視点が後ろを振り向きます。 家の玄関を出て、最後に玄関を振り返った時です・・・ 手に鉈みたいなものを持って、般若の面を被った人が、 A子をじっと見つめてたんです。 思わず悲鳴を上げてしまいました。 A子のビデオはそこで切れました。 A子は最後まで気付いていなかったんでしょうか・・ 続く 翌日、ビデオを見たよってA子に言いました。 ただそれだけを言いました。何かが映っていたか、 それはA子にも聞かれなかったし、私も何も言いませんでした。 でもA子の様子は明らかにおかしかったのを覚えてます。 目が虚ろで友達との会話にも何かぼ〜っとして受け答えしてました。 何か胸騒ぎを覚えました。 家に帰ってから夕食を食べて部屋に上がったとき、部屋から物音がしました。 何の音かわかりました。あのビデオの音です。 部屋に入るとビデオの電源が入っていて、あのビデオが流れているようでした。 でも何か変でした。 A子がとったビデオは昼の明るい時に廃屋に入っている様子が映っていたんですが、 そのビデオは夜、廃屋に入っている様子が映っています。 え、何だろ、これ・・・ 私はビデオの取り出しボタンを押すんですがビデオは一向に出てきません。 月明かりが差し込む中でA子が廃屋を歩く視点で映像が続きます。 続く 例の掛け軸のある部屋にたどり着いたようです。 ずっと掛け軸を写しています。 掛け軸から手が出て、足が出て・・・ 面を被った何かが鉈を持ってA子に近づいてきました。 A子は気付いているのか、嫌な予感がしたのか、 早足で廊下を外に向かって逃げてるようです。 段々足が速くなっているようで、出口に近づくころ、 「あぁぁぁぁ!」と叫び声を上げているA子。 あと少しで廃屋を出られる、がんばって! その時ビデオにドスッっと鈍い音が入りました。 ビデオの視点はグルグル回って、ガッという音の後に、 画面に横に映る廃屋が入ってきました。 鉈を持った般若の面を被った何かと一緒に。 そこで映像が終わりました。 続く ビデオ右下の時間は今の時間になっていました。 今A子が殺された。私は急いで部屋をでて廃屋に行こうと思いました。 A子が死んだのか、それとも何かのイタズラ、脅しなのか。 部屋を出ようとドアノブを手にしたとき。 私の力じゃなく、そとからドアが開きました。 ドアの前に誰かがいます。 なんとなく頭が重くて、ゆっくりとその誰かを足元から確認するように 見上げました。般若の面を取るA子。 A子はニコニコ笑いながら、 「幽霊なんていなかったよ」 その時、私の頭がなんで重くなったのか解りました。 鉈が頭にささっていました。 |
100階までもう1度登るのはうんざりだ・・・とりあえず1階に着き、カギを手にした 私が再び階段を登っていると、下半身のない老婆が両手を機用につかって テクテクと時速100`くらいで追いかけてきた。老婆は「助けてください! 私は立教大学3年の高橋・・」などと叫んでいたが、聞こえない振りをした。 が、「見えてるくせに・・」としつこいので念仏を唱えると、 「そんなものは効かんわ!」と言い放たれた。どうすりゃいいんだ。 仕方ないのでぴょんぴょんと時速105`くらいで階段をかけのぼった。 100階で待っていた残りの4人は眠ってしまわないように踊り場の 4隅に立ち、順番にとなりの隅まで歩いて起こす、というようなことをやっていた。 ひとりはどうしても眠さをがまんできず、壁一面に「おかあさんおかあさんおかあさん」 などとたくさん書きなぐって眠気をこらえていた。眠ると猿の電車に連れて行かれるそうだ。 ようやく100階の扉をあけ、ぐっすりベッドで眠れると思った私達に安堵の空気が ながれたが、何気なくベッドの下をみた私は凍り付いた。 ベッドの下にはカマをもった男がこっちをみていた。 私は叫んだ。 「斬るなら俺を斬れ!!!俺の命で済むなら・・・安い物ッ!!」 |
高校生の頃、学校の近くのお好み焼き屋でたむろするのが日課だった。 その日もいつものように、その店で下らない話をしていたんだが、 「キィィィィィー」という車の激しいブレーキ音が聞こえ、 「おい、事故ったんじゃねえ? いこうぜ!」と言う友人と3人で すぐに店を飛び出しました。 その店はわりと大きい十字路から10mくらいの所にあった為、 出てすぐの十字路に違いないと確信してました。 その事故現場はまさに十字路で起きていました。 砂利を積んでいるような大きなトラックが見え、近くに野次馬もいました。 ちょうど前輪の辺りに、中年の女性が言葉にならないような叫び声をあげていました。 近づいてみると、トラックの前輪に向かって叫んでいます。 その時私が目にしたのは、馬鹿でかいトラックの前輪の下に頭がすっぽりと 入ってしまっている小学生くらいの女の子の体でした。 つづく 半狂乱の母親らしき人が「○○!○○!」とその子の名前らしきものを叫び続けてました。 完全に頭を踏み潰された女の子。時折手足がビクッビクッと動いてたのを覚えてます。 うわ…見なきゃ良かった。と思った時はもう遅かったのですが、 その母親は何を思ったのか、その女の子の両手を掴み、 腰を落として引っ張りだそうとしたのです。 周りに居た人間は、その光景の凄まじさから誰も止めようとする人がいません。 まもなく「ブッ」という鈍い音をたてて、首から下の胴体だけが抜けました。 もうそこからは見ていられないと思い、友人と3人で店に戻ろうとした時に、 ふとその母親らしき女性と目が合ってしまったのです。 逃げるように店に戻ったのですが、何を思ったのかその母親らしき女性は、 頭の無い女の子の体を抱いたまま、私たちを追ってきたのです。 店に逃げ込む私達と、それを追いかけて入ってくる死体を抱えた女性・・・ 店には何人か他のお客がいたが、全員もうパニックでした。 「○○を助けてよ!ねえ、助けてよ!」と狂乱する女性。 店を全員が一斉に逃げ出しました。 その後、そのお好み焼き屋は1週間ほど休業してました。 実話ですが、これが一番経験した中で怖かった話です。 長文、失礼しました〜 |
私がまだ中学生だった頃出来事です。 夏休みも後1週間程となった8月の終わり ろくに宿題も終わっていないにも関わらず、友人2人と近所の市営プールに 遊びに行くことになった。 30度を超す熱気と、私の自宅正面の家でここ1週間程行われている 駐車場工事の騒音とで、とてもじゃないが家の中で友人を待っている事が出来ず 1時間ほどゲーセンに行こうと表に出た。 すると、顔見知りとなっていた工事現場の男性が パワーショベルの操縦席から気さくに声をかけてきた。 『よう、ボウズ宿題は終わったのか?』 ここ最近の日課のような挨拶を交わし、私はゲーセンに向かった。 先ほど挨拶をした工事現場の男性に怒られていた。 どうしたのか聞いてみると、約束の時間より早めにきた友人が、昼休憩で誰も居ない工事 現場のパワーショベルに乗り込んでいたずらをしていたらしい。 私が戻ってきた事をきっかけに2人は解放されたのだが、2人は相当こたえたらしく プールに行く気がしなくなったから帰る、と言い帰ってしまった。 私はさして気にもとめず、自宅に入った。 それから数時間後、自宅の前がやけに騒がしいので、何事かと思い表に出てみると どうやら正面の家の工事で事故がおきたらしい。 現場を取り囲む近所のおばさんたちの向こうで、作業服の人達があわただしく動いている。 『おい大丈夫かっ!』 『しっかりしろっ!』 『救急車はまだかぁッ!』 怒鳴るような叫び声、呆然と立ち尽くす人、泣き崩れて我を失っている人・・・ その場の雰囲気から、簡単な事故ではない事を窺い知ることが出来る。 人だかりの隙間から覗き見てみると、一人の作業服の男性が横たわっている。 その周りを、同じく作業服の人間が数人取り囲んでおり、詳しい状況はわからないが 横たわった男性が周囲の呼びかけにもぴクリとも動かず、また作業服に かなりの出血が見られることから、私は漠然とこりゃ駄目だろうなと考えていた。 程なくして救急車が到着し、救急隊員によって応急処置がはじまった。 どうやら頭部にかなりのダメージを負っている様なのだが、救急隊員や同僚の作業員 野次馬のおばさん達に邪魔され、男性の足元しか見ることが出来ない。 私は目の前の出来事を、まるでテレビの番組のようにボーっと眺めながら ふと、倒れている男性はいったい誰なんだ、と思い始めていた。 作業員の顔は殆ど覚えており、野次馬の隙間から何とか一人一人確認してみると いつも気さくに声をかけてくれる男性の顔が見当たらない。 ま、まさか!先ほどまでは他人事だったのが、急に身近なことに感じられ 変な震えが全身を襲ったことを覚えている。 何分ほどそこにいたのだろう、帰ったはずの友人に肩をたたかれて我に帰ると 救急車が音も無く走り出すところであった。やはり駄目だったようである・・・。 私は、名前も知らない顔見知りが亡くなった事に多少動揺しながらも 現場から離れられなかった。 既に野次馬の数も減り、先ほどより大分状況が把握できるようになった。 一人の男性が、ピクリとも動かずに横たわっているソレに泣いてすがりついている。 いつからそこにいたのか、制服の警官がその男性をソレから引き離そうとしている。 先ほどまでは足元しか見えなかったソレの頭部が徐々に見えてくる。 同時に、別の制服警官がありがちなブルーのシートをソレにかぶせ始めた。 私は、頭のどこかで 「見るな、振り返って自宅に入れ、見るな」 という警告の声を聞きながらも、ソレから目が話せなかった。 泣き叫ぶ男性が引き剥がされ、ついに私はソレの顔だった部分を見てしまった。 はじけた石榴のようになったソレの頭部にはもはや顔は存在せず 赤黒く変色した物体にしか目に映らなかった。 そして、ブルーのシートがソレを覆い尽くす前の本の一瞬 信じられない事がおきたのである。 ソレは既に生きてはいない。 動くわけがない。 にもかかわらず、ゆっくりとソレの頭部がこちらを見るように回転し始め そして、カッと目が見開かれたのである。 私は恐ろしくなり、振り返って自宅に逃げ込もうとしたら、直接頭に声が飛び込んできた 『お・い・・ぼ・う・ず・・・』 私はパニックになり、自宅の自分の部屋に駆け込むと 友人二人も青い顔をして部屋に入ってきた。 友人達も同じ光景を見たのかと思っていたらそうではなく、どうやら先ほどの パワーショベルのいたずらのことだと言う。 2人に聞くと、誰も居ない操縦席に入り、エンジンもかかっていないからと 適当にレバーをがくがく動かしていたら、そのうちの1本が折れてしまったらしい。 で、そこにあったガムテープでぐるぐる巻きにして固定をしたとの事。 彼らは、一旦帰ったものの、やはり気になって戻ってきたら事故になっており 自分達のせいだと青い顔をしているのである。 とりあえずこの件は3人の秘密にし、その日は別れた。 翌日の母の話によると、亡くなったのは、やはりいつも声をかけてくれる男性で 工務店の社長さんとのこと。で、よりにもよって自分の息子さんが操縦する パワーショベルの先端が頭部に直撃して即死だったと・・・。 警察の調べで、操縦中にレバーが折れ、ショベル部分の操作が不能となったことが 原因らしい。亡くなった男性以外に2人のいたずらを知るものは無い。 あの男性には悪いが、やはりこの件は3人だけの秘密にするしかなかった。 それにしても即死だったら動くはずは無い。 しかし実際に顔がこちらを向き、そして声が・・・。 『お・い・・ぼ・う・ず・・・』 あの事故からちょうど1週間が過ぎ、いよいよ夏休みも終わろうとしていた。 事故の最期に見たこと、聞いたことは、初めて目にする生々しい光景による 一種の幻覚、もしくは白日夢か何かだろうと無理やり自分を納得させていた。 その夜、ラジオを聞きつつたまった宿題をこなしていた。時間は深夜2時。 さすがに眠気が強くなってきたので、そろそろ寝ようかと思ったその時 突然ラジオからノイズ音が聞こえてきた。さっきまでちゃんとチューニングできたのに AM・FMのどの局も入らなくなってしまった。故障かな?と思いつつカセットに 切り替えると、こちらは異常なく音が出るのでお気に入りのテープを入れタイマーにして ベッドに入った。 5分もしないうちに、尿意があるような気がしてきた。 こうなると気になって眠れないので、トイレに行きまたベッドに入った。 ラジカセからは、聞き覚えのあるDJがリスナーのはがきを読んで爆笑しているのが 聞こえる。私は夢うつつの中で、このDJ面白いんだよな、と思っていた。 DJ、DJ、・・・!? 私は寝る前にカセットにした、はずである。何故ラジオになっている!? ビックリし飛び起きようとした瞬間、体が全く動かない。 金縛りである。私は自分の心臓の音が妙にうるさいのを感じながら 目玉だけを動かして室内を見回した。 すると、自分の足元にソレが居た。 全身青白く透けそうな感じで、頼りない感じでそこにソレはたっていた。 すると、先ほどまでDJの笑い声が聞こえていたラジカセからノイズ音が 聞こえ、そのノイズに混ざって 『お・い・・ぼ・・う・ず・・・な・ぜ・・だ・まっ・・て・た・の・・だ・・』 と切れ切れに聞こえてきたのである。 私は心の中で、『ゴメンナサイ、ゴメンナサイ』と繰り返していると ソレは私の足元からベッドに上がってきた。 心臓が壊れるくらいの動機に襲われながらも必死に謝りつづける。 やがてソレが私の腹の上に乗り、顔を覗き込むようにしている気配が伝わってきた。 あまりの恐怖に目も開けられない。しかし、ソレは私の顔に顔を近づけ動こうとしない。 どれぐらいの時がたったのだろう、不意に腹の重みが無くなり、恐る恐る目を開けると 目の前には、真っ赤にはじけた石榴、その中で見開かれている両目、が見えた。 ソレは私の腹から降り、頭側から覗き込んでいたのである。 私はそこで気を失ってしまい、気づいたら朝になっていた。 やはりソレは2人のいたずらに気づいている。 そして、その事を秘密にしている自分にも恨みを持っている。 恐ろしくなった私は早速友人2人に電話をしたが、2人とも既に出かけたとのこと。 私は誰にも相談できずに、一人自宅で震えていた。 その日、2人の友人は帰宅しなかった。 2人の友人の家では大騒ぎになり、警察へも捜索願が出された。 仲が良かった友人と言うことで、私のところにも警官が事情を聞きにきた。 私は、2人の友人も心配であったが、それ以上に昨夜の出来事が恐ろしく 事の経緯を全て警官に話した。早速パワーショベルに残された指紋と友人2人 そして私の指紋が照合され、友人2人の指紋が検出、私の指紋は検出されなかった。 平行して友人2人の捜索は続けられたが、結局その日は発見されなかった。 2日後、2人の友人が発見された。 駅ビルからの投身自殺で、2人で一緒に飛び降りたらしい。 遺書その他は見つからなかったが、一連の騒ぎの当事者として責任を感じての自殺 と見ているらしい。当然即死状態だが、頭部のみが激しく破壊されており その他の部位については奇跡的なほどダメージが無かったとのこと。 はたして本当に自殺だったのだろうか。 ちなみに、警察に全てを話した私のところに、その後ソレは現れては居ません。 |
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名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/08/27 15:57
イボの花ってのがあるらしい。体に出来たイボにこう、花が咲くみたいにパカって裂け目ができることを言うそうだ。 昔は急にできたイボに花が咲いたら近くの人間に不幸があるといわれていたらしい。聞いたことがないから叔父のいた所独特の風説かもしれないけど。 で、伯父が小学校の頃右手の二の腕に急に大きなイボが出来た。そしてすぐにそれが真ん中から十文字に割れた。それを見て彼の祖母が「イボの花」の話をしたところ、伯父はバカらしいと鼻で笑ってたんだって。 その3日後祖母が心不全で死んだ。伯父は驚いて両親に話したがもちろん取り合ってくれなかった。ばあさんはもともと心臓が弱かったし、しょうがないと。 それから1年ばかりなにもなく過ぎて、伯父もイボの花を偶然だと思うようになっていたころに伯父の言う一生忘れられないことが起きた。 両親も驚いたが、取りあえず近所の町医者に来てもらうと何かのかぶれだろうということ。 結局塗り薬をもらって伯父はそのまま自分の部屋に寝かしつけられた。学校も当然休まなければならなかった。 両親は共働きだったので、まあ大丈夫だろうと伯父は一人で家に残された。僕の母もまだ生まれていなかった頃だ。 伯父は布団のなかで物凄い恐怖感に襲われたという。 もし、イボに花が咲いたら。 全部に花が咲いたら。 そう思った瞬間目の前が真っ白になったそうだ。錯覚ではない。 その後に凄い音がして屋根が崩れてきた。「あ、これか」と一瞬に思ったらしい。 そこからの記憶がないと言うが、伯父は瓦礫から助け出されたとき火傷と擦り傷で全身血まみれだったそうだ。 イボに赤い花が咲いて。 1945年8月6日広島でのことである。 その伯父も9年前に死んだ。生前よくみせてもらった背中や腹にはかすかに無数の痣が残っていた。 |
名前:伍朗介のひひ孫
投稿日:02/08/29 02:52
昔の都市伝説というか、実話らしいのですが、 私の叔母から良く聞かされた話を紹介します。 但し、あまり怖くありません。 大正時代の頃、村の外れの名前も無く、ただただ険しい山に、 資源となる銅が大量に含有されていることが学者の調査で判明しました。 そこで、村人が一丸となって、村興しの絶好の機会だと口を揃え、 その険しい名無し山に登山道を建設することが決まったのです。 やがて村に町から多くの工夫達がやってくるようになり、山添に たいそう大きな小屋を建て、突貫工事が進められるようになりました。 昼夜交替で工事は着々と進みましたが、山はかなり険しく、 工夫達を悩ませましたが、2年ほど経った頃には、銅採掘に適した場所 にまで立派な道が延び、やがて、銅の採掘が営まれるようになりました。 (つづく) この話が伝説となった由来です。 あとは、銅を採掘する為に巨大なトンネルを掘るだけです。最初は、 人間がやっと通れるくらいの人道を造って行くのですが、その段階で 落盤事故が絶えず、約150名ほどの犠牲者が出てしまったということです。 当時の工事関係者は、焦りと恐れを抱く様になり、そこで、当時としては 決して珍しくはなかった「人柱」を祭ることにしたそうです。 実は、その「人柱」となったのが、私の祖母の母方の夫ということらしいのです。 夫の名前は、伍朗介(仮名)といいます。 当時、人柱は身分の低い下請けの人夫が選ばれることが多く、人夫達を 抱える頭領は、どうしても一人を選ばなければならなかったそうです。 前夜に伍朗介の工夫仲間達が最期の別れを惜しむばかりに、 彼に酒をたらふくと飲ませ、その夜は、酒好きの伍朗介にとって最高の気分に させてあげたとのことでした。同僚達は涙を流しながら、鬼となり、そのような 行動に出たのですが、これにも深い理由があり、彼らも人柱になりたくは なかったからなのです。 明くる日の丑三つ時に、人道の側面に人の大きさの深い穴が掘られ、 泥酔で気持良さそうな伍朗介に柏の木で作られた杖を持たせ、そっと立たせた 状態で頭領や工夫達の手によって穴は埋め戻され、朝まで祭られました。 それ以降の工事は事故も無く、着々と進められ、無事完成を迎えたとのことでした。 今では廃坑となってしまいましたが、有名な○○○銅山がその山です。 今では関係者以外は入れない場所に、小さな地蔵が祭られています。 それが伍朗介(仮名)地蔵と呼ばれるものです。 私がお盆休みの期間に訪れる場所でもあります。 (終わり) |
名前:ボウズ 投稿日:02/08/29 02:56
私が通っていたのは地方、と言うかかなり田舎の大学で、学生たちも地味な人間が 多かった。 そんな地味な学生達でも、やはり4年生になる頃には卒業の為の単位もそろい、 それまでのバイトで貯めた金で、海外に卒業旅行に出かけたりするのだが 私はかなり怠けた生活を送ったツケで、4年になっても単位が足りず、 またバイト代も殆ど使い切ってしまっていた為、卒業旅行どころではなかった。 しかし、似たようなヤツはいるもので、結局はいつもつるんでいる4人で、 そのうちの一人の親父さんが勤める会社の保養所、と言うか研修センターに ただで泊めてもらうことになった。 たいした施設ではないのだが、最近では会社で利用する機会も少ないとの事で 掃除と布団干しを条件に、何泊でも好きに使って良いとのことだった。 貧乏学生4人は、とりあえず1週間程の滞在をすることにし、1台の車に乗り込み その研修センターに向かった。 地図を頼りに、約2時間半程山間へ走ったところにその研修センターはあった。 確かにここ最近利用されておらず、また管理人も特に設置していないとの事で、 パッと見た感じでは廃屋の様であった。 また、中に入れば入ったで、かび臭さが漂っており、本当にこんなところに寝泊り するのかとゾッとしたが、掃除をすれば何とかなるレベルであった。 まずは状況確認も含めて、親父さんから借りたカギの束を使い、一部屋ずつ皆で 建物内を散策していった。 建物内の間取りはいたってこじんまりとしており、親父さんの説明どおり 宿泊用の4人部屋が1階に2部屋、2階に4部屋、共同の風呂が1つ、トイレが1つ、 それに食堂、キッチン、といったつくりであった。 しかし1箇所だけ開くことの出来ないドアがある。 それは2階の廊下の突き当たり(廊下の両脇に宿泊室が2部屋ずつある)なのだが、 特に変わった様子、つまり封印してあるとか、そういう感じではない。 ただ、カギの束のどのカギでもあけることが出来ないのだ。 建物を周りから見た様子、また部屋の構造などから容易にそこがトイレである ことが解るのだが、親父さんの説明では『トイレは1つ』である。 既に1階を見たときにトイレは確認している。じゃあここは・・・。 単に親父さんの記憶違いと、故障か何かで使用不可なんだろうくらいに考え、 それ以上その『開かずのドア』を気にとめるものはなかった。その時点では・・・。 その後各自割り当てられた分担場所の掃除に取り掛かり、日が暮れる頃にはなんとか 生活できる状態にはなっていた。 部屋割りについては、2階の4部屋に一人ずつが宿泊することになった。 その日は掃除の疲れとアルコールのおかげで、割と早い時間に各部屋に入り 眠りについたのだった。 ベッドに入りどれくらいの時間がたったのだろう、体は疲れ起きているのが辛い程 なのだが、なかなか寝付くことが出来ない。夢うつつの状態にあったその時 びちゃ 廊下の方に足を向けた格好でベッドに入っていたのだが、その足元、ドアの向こうから その音は聞こえた。あの音はいったい、何? 気のせい、・・・なのか? びちゃ、・・・・・びちゃ・・・。 今度は確かにはっきりと2回聞こえた。 びちゃ、・・・・びちゃ、・・びちゃ、びちゃ・・・。 その音はだんだん間隔が狭くなりながら確かに聞こえてくる。 水分、それも粘着性の高い何かが、廊下の床に滴り落ちる、そんな感じの音である。 時計をみると午前三時。 こんな時間に、他のメンバーが何かをしているのか? 何かって、・・・何をしているんだ? 思いつかない。 びちゃ、・・びちゃ、びちゃびちゃびちゃ。 もはや恐怖に耐えかね、ベッドに半身だけを起こし、廊下に向かって問い掛ける。 『だ、誰か居るのか?・・・・おいっ!』 返事は無い。ベッドから降り、恐る恐るドアを開け、頭だけを出してゆっくりと廊下を 見回すと、廊下の突き当たり、例の『開かずのドア』の前にソレは立っていた。 ・・!!! 私の叫びは、叫びにはならず、息を呑む音だけが廊下に響いた。 しかし私は足がすくみ、逃げることも出来ず、でもソレから目が離せなかった。 ソレは薄汚れた浴衣に身を包んでいる、浴衣の前は無様にはだけ女性用の下着が見えている。 浴衣から伸びている腕、足は異様なまでに痩せ細り、腹だけが異様な感じに膨れている。 その細い腕の一つが顔に伸び、片手がしっかりと口元を抑えている。 目はカッと見開かれ、一瞬白目になったかと思うと、口元を抑えた手の指の間から 吐瀉物が滲み出し、床に滴り落ちてゆく。 びちゃ、・・・・びちゃ、びちゃ・・・びちゃびちゃびちゃ・・・。 それは、床に吐瀉物を撒き散らしながら、ゆっくりとこちらに近づいてくる。 何こいつ、誰だよ。おい、おいっ、やばい逃げろ! 私の頭の中はいろんな思考がごちゃごちゃになり、体が思うように動かせなくなっていた。 しかし、目だけはソレを見つめている。 不意にソレの目がよりいっそう見開かれたかと思うと、口元を抑えていた手を押し破り 一気に吐瀉物が噴出してきた。 びちゃびちゃ、びびびちゃびちゃぶちゃどちゃどびちゃっ・・・。 その吐瀉物の飛沫が私の顔にかかった様な気がして、ふっと我に返り ぎぃゃあああああああっ!!! けたたましい悲鳴をあげてドアを猛烈な勢いで締め、ベッドにもぐりこんだ。 すると、私の悲鳴を聞き向かいの部屋から友人が出てくる気配がした。 『なんだよ夜中にうる・・・ぎゃぁあああ!』 けたたましい悲鳴、廊下を走る音、そして階段を転げ落ちる激しい音。 その音で残り2人の友人も目を覚まし、廊下に出てきたらしい。 しかし今度は悲鳴をあげることもなく、私の部屋をノックしてきた。 私は半泣きになりながら、部屋を出ると、掠れた声で 『か、階段、階段っ!』 と階段方向を指差すと、その場にしゃがみこんでしまった。 友人の一人が階段に行くと、派手に転げ落ちたもう一人を発見し、直ぐに救急車を 呼んだ。 程なくして救急車が到着、階段を落ちた友人は数箇所骨折している様子で、また 意識もないことからそのまま病院に運ばれることとなった。 私はこれ以上この場所に居ることが絶えられず、付き添いとして救急車に乗り込んだ。 翌日、そのまま入院となった友人(病院で意識を取り戻したが、まだ処置の途中と言う ことでろくに会話は出来なかった)を残し、一人研修所にもどった。 待っていた友人2人に昨夜の出来事を話したが、やはりこの2人は何も見ておらず 見たのは、入院中の友人と私だけだったらしい。 とにかく、これ以上ここには宿泊したくも無く、荷物をまとめ、研修所を後にした。 いったい、あいつはなんだったんだろう。あの開かずのドアって・・・。 帰宅後、研修所を所有する会社に勤めている親父さんに、事の経緯を説明したところ 親父さんは、ハッとした顔をした後、ぽつりぽつりと語り始めた。 3年程前、まだ頻繁に研修所を使用していた頃、社外講師を招いて、その年度に入社 した新入社員12名を対象に2週間の自己啓発セミナーを実施した。 その内容はかなりハードなもので、社会人としてのマナーは勿論のこと、生活面でも 全てを規則で縛り付けていた。その12名の参加者の中に一人の女性がいた。 かなり華奢な体つきをした彼女は、相当の偏食家で好き嫌いが多いといったレベル ではなかった。当然、この講師が食べ残しを許すはずも無く、口の中に食べ残しを 押し込み、水で流し込むように食べさせていたのだった。 彼女は夜な夜な、2階のトイレで胃のものを吐き出す生活を続け、半ばノイローゼ状態 に追い込まれていた。 研修も後半に入ったある夜、やはり夜中に2階のトイレで嘔吐を繰り返していたところを 講師に見つかってしまった。講師から、研修所中に聞えるような大声で激しい叱責を受け、 最後には、お前みたいな精神が弱い人間は生きている価値が無い、とまで言われたそうだ。 自分の吐瀉物にまみれ、呆然と座り込む彼女を心配し、同期の何人かが声をかけたが 何の反応も無かったそうだ。 翌朝、同期の一人が用を足そうと2階のトイレに入ったところ、彼女が浴衣の紐を個室の ドアの鴨居にかけ、首を吊って死んでいたそうだ・・・。 私たちがあの研修所を利用した半年後、建物は取り壊された。 |
名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/08/30 11:58
でも、上半身は花壇、下半身はコンクリにぶち当たって、下半身切断(ももの途中くらい? から)で上半身は殆ど擦り傷くらいで助かってしまったらしい・・・ こういうのってどうよ?? もう一つ、私が工房のとき学校の生徒会やってた子が自殺したんです。 その子はアニオタではないんですが万県に所属してて、書く絵がなんていうか・・・ この世離れしているというかなんとも不思議な絵を描くのです。 で妙に死の世界に憧れていて、それを知った友達が一生懸命ジサツしようとしたのを 止めてたんです。 ある冬の寒い日、いつものようにサ店に寄ってその子が死のうとしてるのを2人の 万県の友達が止めてて、最終電車間際で皆別れたらしいんです。 でもその別れ方が妙に今までにない明るい顔で、「じゃね、有難う!ばいばい!!」って 別れたから友達の一人が妙に気になって寝付けなかったらしいの。 で、翌日・・・案の定学校はざわざわしていて、どうやらその子はその直後に近くのビルの 屋上から飛び降りたらしい。 そしてうちらの代の卒業式のとき、一人一人名前が呼ばれて返事をして、そのジサツした子の 番になったとき・・・体育館の電気が停電でもないのに全部消えたんです! まじ、皆びっくりした。その子の事忘れかけてた部分もあったから、また思い出してって ことなんだろうけど・・・。 |
名前:騒音1
投稿日:02/08/30 13:46
西東京のアパートに引っ越した時のことです。2DK、2階建て軽 鉄骨の築2年、ごく普通の物件です。私の部屋は3戸ある2階の左端 でした。当時、私は独身でフリーの仕事をしており打ち合わせなど で外に出る以外は部屋の中に居ることが多い生活をしていました。 ところで、30を過ぎて独身、収入の安定しないフリーの仕事をして いる人間が賃貸件を借りることは意外と苦労します。傍目からは勤 めもせず日々ブラブラしている社会不適合者に映るのかもしれませ ん。実際そのアパートに入居する時も大家の対応は偏見に満ちたも のでした。ですから私は引っ越しのたびに近隣の入居者には菓子折 をもって、仕事の関係上部屋にいることが多い旨を伝え出来る限り 丁寧に挨拶をするように心がけています。 さて、今回も引っ越しそうそうに隣と真下の部屋に挨拶に行きま した。隣は旦那さんがガテン系の仕事、奥さんも共働きという若夫 婦でした。愛想がいいとも悪いとも言えないごく普通の隣人です。 ところが真下の部屋には何度行っても中から人が出てきません。は じめは不在なのかとも思っていましたが、どうも様子が違います。 特に安普請という訳でもないのですが、壁も薄く隣のテレビの音が 漏れ聞こえるような建物です。当然、下の部屋の足音などの生活音 も隣ほどではないにしろ聞こえます。しかし明らかに居るであろう タイミングで行っても呼び鈴に反応はありません。ドア越しにこち らを窺っている気配は感じるのですが…。 留守を使われては少々意地になります。大家曰く「旦那は勤め人、 奥さんは専業主婦のキチンとした若いご夫婦」とのこと。世間的に キチンとした人の対応がこれかよ、と思いつつその後も何度か足を 運びました。 ようやくそのドアが開いたのは私が引っ越してから既に一週間以 上過ぎた日曜でした。出てきたのは旦那のほうで、きっと偏屈な野 郎に違いないという予想に反し、物腰の柔らかな気弱そうな感じの 人でした。挨拶を済ませ帰ろうとした時、DKから繋がる奥の部屋 の暗がりから様子を窺っている奥さんに気付きました。小太りで和 田明子風ショートカット、お世辞にも美人妻といえる外見ではあり ません。地味なエプロンを付けた彼女は胸に生後まもないであろう 赤ん坊を抱いていました。私の会釈には僅かに反応しましたが視線 をあわせようとはせず、うつむき加減のままで、その表情は読みと れません。ひどく人見知りで、子供も産んだばかり、だから神経質 に旦那以外の訪問者にはドアを開けない。私は若干の不気味さを感 じながらも、これまでの彼女の対応をそういう風に理解、納得し部 屋に戻りました。そうして新しい部屋での生活は静かに始まったの です… いた私の背中にまるで床越しに何か太い棒で突かれたような感覚が 走りました。まるで、うるさいと怒っているかのようにです。一般 的に上の部屋の音は響きやすいといいますから、私が何か騒音を出 していて怒った下の住人が天井を何かで叩いたのかとも思いました が、考えてみれば思い当たる節がありません。しばらくすると、 今度はDKの床がどすっ!寝室の床がどすっ!また私の足下で どすっ!どすっ!どすっ!どすっ!ごっ!どすっ!どすっ!ごっ! だんだん突く間隔が短くなっていきます。よく耳を凝らしてみると 突いているのは天井ばかりではないようです。壁や床にも何か固く 重そうなものを投げつけているようです。音のくぐもり具合や伴う 衝撃の大小でそれが分かります。やがてひとしきり突きまくって満 足したかのように階下の部屋はしんと静まりかえりました。 平日の真昼です。言い争う声も聞こえませんから夫婦げんかとも 考ええづらく、挨拶に行ったときの下の奥さんの印象から、うるさ いとか迷惑とかより、不気味な気持ちが先に立ちました。 その後も時折、どすっ!という天井や壁を突き上げるような音、 ばたんばたんばたんばたんと戸棚の扉を乱暴に何度も何度も叩きつ けるような音、などが聞こえてくることがありました。しかし、下 からの騒音は決まって平日の昼間。しかも短時間に限られています。 アパートの住人で平日の昼に日常的に部屋にいる人は他になく、た ぶんその騒音を聞いているのは、階下の本人(奥さん)と私だけで しょう。大家に文句を言っても「キチンとした若夫婦」と「勤めも しないでブラブラしてる独身者」というステレオタイプの偏見に満 ちた人だけに、やぶ蛇になってしまう可能性が大です。騒音も毎日 と言うわけでもなく、私はしばらくは我慢していたのです… 文字では書き表せない声。腹の底から絞り出す様な声。歯ぎしりす る歯と歯の間から漏れ震えるような声。 叫び声ともうめき声ともつかない異常、異様な声がどすんばたん と部屋中を引っ掻き回すような騒音に混じるようになったのは、そ れから間もなくのことです。こうなると私としても我慢の限界とい うか、不安の限界というかで、意を決しアパートから少し離れた所 に住む大家に苦情を言いに行きました。しかし大家は案の定、私の ことを胡散臭い目で見て「そうですかぁ他の方は何もいってません けどっ」と言ったきり相手にしてくれません。誰か他の住人が気付 いてくれればいいと思っても、その異音が発せられるのは、相変わ らず平日の昼間ということを除けば、一定の周期もなく一日に二回 やってくることもあれば、一週間しんとしていることもありました。 一度はその異音の最中にアパートの前の駐車場に車を取りに行く ふうを装って、その部屋をのぞきに行ったこともあったのですが、 窓にはカーテンが掛けられ中の様子を窺い知ることは出来ません。 そればかりか、私の行動を察知したかのようにそれまで建物の外に まで響いていた異音はぴたりと止むのです… 気づいたのは、うるさくて腹が立つのではなく、薄気味が悪くて何 なのかを知りたい気持ちが強かったからだと思います。 ただの異常者なのか?それとも何らかの悪意があるのか?私は異 音が始まるたびに息を潜め耳を澄ませるようになりました。 「う゛んжで&ぎっぃ@§¶仝〆†〜あっっ〜〜〓‖おぃ??ず〜!!!?!!!」 としか聞こえなかったモノが 「う゛んでゞ&ぎっぃ@§ぼすん†〜あっっ〜〜〓‖おぃ?るずぞ〜!!?!!!」 から 「なう゛んでっこっゞぎぃ§ぉぼすん†〜あっっ〜〜!!おぃ?るずぞ〜!!?!!!」 と聞きとれるようになり、そして 「なんでっ!このガキはこぼすんだ〜おぃっ殺すぞっぅ!!!!」 私は下の部屋の奥さんが抱いていた赤ん坊を思い出しました。育児 ノイローゼ。幼児虐待などの言葉が急速に頭の中で点滅します。赤 ん坊がうまく食事出来ないことにでも腹を立てているのでしょうか? そして何かモノにあたって部屋中を引っ掻き回しているのでしょうか? 私は赤ん坊の身の危険を感じずにはいられませんでした。どすっ! ばだん!と上の階まで響く重く固いものを滅茶苦茶に投げつている ような音だけではなく、最近では びとんっ… と何か柔らかなモ ノを床や壁に打ち据えるような音も混じるようになっていたからで す。通報するべきかどうか悩みました。もし私の一方的な勘違いだ ったとしたら…。悩んでいるうちに私はある疑問に気付きました。 赤ん坊の泣き声がしない。 虐待(だったとして)を受けているであろう時だけでなく、私が 越してきてから一度も赤ん坊の泣き声を耳にしていない。 す・で・に・死・ん・で・い・る? 関わらない方がいい。咄嗟に私は判断しました。そしてこの部屋を 出よう。あの赤ん坊が臭い出す前に。 異音と良心の呵責に耳を塞ぎながら、その部屋に居続けていました。 そんなある日の午後、いつもとは違う騒音に私は表を見ました。一 台の引っ越し業者のトラックが止まっています。そうです、あの階 下の住人が引っ越すところでした。旦那は相変わらず人の良さそう な物腰で、業者の人間に指示を出しつつ自分でもダンボールを運ん だりしています。一方奥さんはと言うと、作業を手伝うでもなく、 たぶん夫婦のものであろう白い軽自動車の脇に佇んでいます。髪は 洗っていないかのように油っぽく、がっくりと落ちた肩に精神のや つれが滲み出ているかのような雰囲気が漂っています。挨拶にいっ たときと同じような地味なエプロンをつけ、化粧っ気もなくうつろ な表情をしているようでした。しかし、その胸にはしっかりと赤ん 坊を抱いています。二階からの視点ではよく見えませんでしたが、 赤ん坊は母親の胸に抱かれ、大人しく目を開けたり閉じたりしてい ます。生きている! 私は心底ほっとすると同時にあまりに大人しく無表情な赤ん坊を 見て、むしろ問題があったのは赤ん坊の方だったのかも知れないと 思いました。自閉症の類、そして育児ノイローゼからヒステリー症 状へ。不気味に思っていた奥さんに対し、憐れみを禁じ得ない気持 ちにもなってきました。やがて作業も終わりまずトラックが出発し ました。続いて旦那が奥さんに車に乗るように促し、トラックの後 を追って出発するのを私は窓から見送りました。しかし… その時見てしまったのです。奥さんが車に乗り込むとき赤ん坊の こめかみの辺りをドアの角にぶつけてしまったことを。それを見て いたはずの旦那が何の心配もしなかったことを。午後の日差しに赤 ん坊の顔や目がやけに反射していたことを。赤ん坊で動いているの は瞼だけだったことを。その瞼も上下するのは時折奥さんがあやす ように揺する時だけだったことを。 あの赤ん坊は明らかに 人 形 でした。 |
名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/08/30 15:17
文才無いので、読み辛い場合はスマソ。 過去、伯父さんが麻雀にハマってる時期があった。 いつもその時仕事をしていた友人4人と麻雀をしていたらしいです。 もっぱら、ある一人の借りているアパートで打っていたようなのですが、田舎な為 各々車で数十分の距離にあるアパートだったらしい。 4人のうち一人は、海岸沿いを通る道を車を使って来ていたらしいのですが、ある日 いつものように友人のアパートに向かっていると、海岸に一人の女の人が立っている。 (特に観光地という訳でもないので、夜中に人を見かける事は稀) 「こんな夜中に何やってんだ?」と思いつつも友人宅に急いでたので、気にせず 通り過ぎ、いつものように麻雀を楽しんだらしい。 その日は、もう夜も明ける頃に友人宅を出たのですが、来た道と同じ道を通って 帰る訳で。海岸を通りかかった時にふと海の方を見ると、来る時と同じ位置に、 同じ女の人が立っている。(既に5〜6時間経過) 流石に何か変だ(自殺か?)と感じ、車を止めて女の人の所まで歩いて行きました。 「どうかしたんですか?」 と、声を掛けても返答所か微動だにしない。 ならば、と思い女の人の前に移動して顔を確認してみた。 その目は、暗い海の彼方を見つめたまま、やはり微動すらしなかった。 自分の事が見えていないような感じ? いくら話し掛けても無視されるので、いい加減腹が立ちその場を立ち去りました。 (続) いつもの様に麻雀の誘いの電話が入り、友人宅へ向かっていました。海岸沿いの 道を通りかかった時、先日の女の人が同じ位置に立っています。 「また居るのか」と考えた程度で、前回無視された事もあり、その時も素通りして 友人宅へ向かっていつものように麻雀を楽しみました。 空が明るくなり始めた頃に帰宅したのですが、やっぱりその女がいつもの場所に 居ます。無視して通り過ぎたのですが、なんだか妙に気になって海岸まで戻って きました。 「もしもし?何してるんですか?」 「こんな所で一人でいると危ないですよ?」 色々と尋ねてみましたが、やっぱり無視されます。2回目なので、頭に血が上って いたらしく、その女の人の肩を叩いてみようと手を伸ばした時! 女の人の肩を、叩こうとした手が通り抜けてしましました。ビックリして、 その場を猛ダッシュで逃げた事は言うまでもありません。 それから、友人宅へ遊びに行くのに夜その道を通る時は必ずその女の人が立っている ようになりました。 その友人は怖いもの見たさもあり、その幽霊(女の人)をよく観察するようになった。 幽霊は足が無い・・・・いや、しっかり2本足がある。肌も人間のようだ。よく見ると 産毛まである。 なんだかんだで、興味は「観察」から「気付かせる」に変わり、あの手この手でその 幽霊を動かそうとしてみたらしい。 (続) してみたり。ありとあらゆる手を考え実行してみたが、やっぱりその幽霊の目は虚空 (海の先)を見たまま、体も微動だにしません。 そんな日が何日が続き、いい加減もう飽きてきた(止めようか)なぁと思い、何気な しに幽霊の顔を覗き込んだその時。 虚空を見つめていた目が、不意にその友人をギロッっと見た(目が合った)。 「!!!」 これはマズい!と直感で思い、その場を速攻で逃げ帰ったそうです。 そんな事があった数日後、いつもの様に麻雀の誘いがあり、なんだか嫌だなぁ と思いつつも、その後どうなったのか気になり、海岸沿いの道を通って友人宅に 行く事になりました。 海岸に差し掛かった時、例の幽霊の姿が見えません。 「居なくなったのか」 と、ちょっと安心してその日はいつもの様に麻雀を楽しみ帰宅しました。 「さて、寝るかな」と布団に潜り込んでウトウトしていると、人の気配がします。 因みにその人は一人暮らしで同居人は居ません。 (続) 人の気配のする方を見てみると、海岸に居た幽霊が部屋の中に居ます。 そして、その目は自分をジーっと見つめています。 「連れて来てしまった!」(正確には、捕り取り付かれたのですが) と、恐怖で動けなくなり、その日は布団を被って朝まで震えてたそうです。 朝になり、布団の隙間から幽霊の立っていた位置を見ると、もうその姿は見 えません。 「助かった〜」 と思ったのも後の祭り。その日から、毎晩その人の部屋に姿を現すように なってしまいました。最初は恐怖でひたすら震えていたのですが、何せ眠れない 為に寝不足なぐらいで、身体供に異常がありません。 幽霊を海岸で見つけた時に取った行動から解るように、「恐怖」から 「部屋から追い出す」に気持ちが変わっていました。 しかし、海岸でも何も出来なかった事から、今回も何をやっても変化がありません。 変化があったと言えば、幽霊の立ってる位置が、その人の布団にじょじょに近く なってきている事ぐらいです。 ついに、立っている位置がその人の枕元になった時点で、無視して生活する事に 決めました。実際、友人に説明しても友人には見えず、また寝てるときに常に 幽霊に見下ろされている状態を除けば実害が無いわけですから。 (自分はこの時点で、その人も変な人だと思いますが) そんな状態が数ヶ月続いたある日、その人は遠方に出張で一ヶ月ほど出る事に なりました。 (続) いたのですが、出張もはや2週間が立とうとしたある夜、出てしまいました。 その幽霊が。出張先まで憑いて来てしまいました。 「また逆戻りだ」 と思ったのですが、やっぱり無視して普通に生活をしていました。 出張も終わり、地元に帰って来て数週間たったある日、友人数人と待ち合わせを して遊びに行く事になりました。 待ち合わせ場所に向かい、既に到着していた友人に「お待たせ!」と挨拶をした のですが、妙に友人の態度がよそよそしい。 「どうかしたの?」と聞いたら、 「後ろの女の人誰?」との返答が。 まさかっ!と思い、頭だけ回して後ろを見てみると、例の幽霊が立ってます。 そうです。ついに、昼間までその姿が見えるようになってしまいました。 もう駄目だと観念し、友人に事情を説明した所、お払いをした方が良いのでは? という話になり、お払いをして貰った所、その幽霊は出てこなくなったそうです。 (完) |
名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/08/31 09:47
ある新人社員が一人で深夜残業をしていた。 次の日、仕事していた書類その他がそのまま放置された状態で 彼の姿が無かった。 彼は、独身で両親もなく身内といえば兄弟のみだったが それほど仲が良くなかったのか、兄弟は会社に御願いします。 とのことだった。 会社は、仕事が終らなくてノイローゼか何かで失踪したのでは?と思ったが もしもの事を考えて警察に失踪願いをだした。 警察も状況を見て失踪ではないかと思ったが、家に帰った形跡も 銀行からお金を引き出した形跡もなかった。 それから約一年後警察から彼の社員証、定期等を会社に持ってきた。 それらは、かなりぼろぼろになっていたのだがなんとか彼のものだと 確認できた。 警察の話だと近くのビルの地下ピットがネズミの巣になっていて そこでネズミの駆除で作業員が入った時にぼろぼろの背広をきた 骸骨が数体見つかり、その一体の背広の中から見つかったものだとの事だった。 事件に巻き込まれ殺されてから其処に報知されたのか、 失踪した後何かの理由で其処に入った後死亡したのかは不明だとの事で、 捜査は細々と続けられたけどその内うやむやになった. ただ、うちの会社では一人での深夜残業は控えるように通達が出て、 深夜残業する人たちには「ねずみに引かれるなよ。」と言うのが 合言葉として残っている。 |
名前:ツギハオマエダT 投稿日:02/09/01 01:34
ちょっと前の話になりますが、私にはひきこもり仲間が一人いました。 ICQで毎日くだらない話をする中の友達でした。 春ぐらいのことでした。 突然そいつから連絡が取れなくなりました。 でも、ICQはオンラインなので、私は何度か返事を送りましたが、 相変わらず、反応がない。それが一月ほど過ぎたある日です。 警察から連絡があり、私は警察署へ行きました。 MXがばれたのか・・・とか、かなり不安な気持ちだったことを覚えています。 しかし、ぜんぜん違う話でした。大体こんな話です。 その一月の間ICQ連絡のない相手のことでした。 なんでも、そいつのマンションの住人から「変な匂いがする」との通報があり 警察が駆けつけたそうです。 警察がかけつけ、管理人にドアを開けてもらうと、 その部屋は、パソコンのモニターのみがついていて真っ暗な状態だったそうです。 中に足を踏み入れると、パソコンの前に、目玉をくりぬかれた人間の首があったそうです。 周りには、食い散らかされたように人間の腕や足があったそうです。 私は呆然と家にかえりました。 死んでいた人間にICQで連絡をとろうとしていたなんて。そんなことを考えながら、 ログを確認していたところ、そいつからのメッセージが入っていたようでした。 ツギハオマエダ そのメッセージは、そいつが死んだ日から3日ほど後のメッセージでした。 怖くなった私は、今すんでいるマンションを変え、現在にいたります。 あいつには、俺の住所とかばらしてないし、住んでいる場所も変えた。 問題ないはずです。 IPを抜かれて、住所などを調べられて・・・もしかしたら・・・・ そんなことを考えていると、眠れません。 ふと窓を見ると、カーテンとカーテンの間から、こちらをにらみつける目が・・・ なんて、幻想まで見えてくる始末です。寝れん! 警察もいまだ何もわかってないようです。TVでも何も聞かないし。 なんでも、そいつは、ひきこもりで外部とまったく接触がなく、発見がおくれたため、 だいぶ難航しているとか、そんなことを警察の人はいっていかのfけw;llllllllll ったえったったすけええええええええええええええええええええ ツギハオマエダ |
名前:暁
投稿日:02/09/02 16:02
ある夏の日、学校で友達のAに「肝試しに行かないか」と誘われました。 私は特に断る理由もなく、面白そうだったので行ってみることにしました。 放課後、部活も終え、家に帰って私服に着替えた後、私はその目的地に行きました。 その場所は、町外れにある墓地の側の森林でした。なかなか嫌な場所だな・・・ そう思っていましたが、後で思うとこの時の私はなんて軽率だったのかと感じます。 墓地にはAと、彼に誘われたBとCが既に来ていました。私はそのメンバーを見て 来なきゃよかった、と思いました。私はAとCとは付き合いも長く、日頃から 慣れ親しんでいるので問題は無かったのですが、Bは違いました。 過去に一度、私はBにとても嫌な思いをさせられたことがあるのです。それ以来、 私はBを避けていました。AとCは、当然私がBを嫌って避けている事は知っていた。 何故Bを誘ったのかをこっそりAに訊くと、本人がどうしても行きたいとしつこかった から仕方なく誘った、との事でした。来てしまったものに今更文句を言っても どうしようもないので、私は前向きに考えることにしました。 それぞれ用意してきた懐中電灯を点け、Aを先頭に私達は森林の中を歩き始めました。 虫の鳴き声が四方八方から絶え間なく聞こえていました。このくらい深い森で、 しかも夏だから尚更のことです。時折腕に止まる蚊を払い、ザッ、ザッ、と草を 踏みつける音と、虫の音を聞きながら私達は無言で歩いていた。 ・・・なんか気味が悪い。早く帰りたい。そう思っていた時、隣で歩いていた Bが突然足を止めてAの方を見ました。「どうした?」Aが訊くと、Bは頭を少し振って 「何でもない」とだけ言った。「何だよ、驚かせやがって・・・」Aはそう言って 再び歩きだしましたが、その時Bがものすごい形相でAを睨んでいたのを私は見逃さなかった。 AはBと話をしながら先頭を進み、私はCと話をしながら歩いていました。 それからしばらく歩き、だいぶ森の奥までやってきたかと思った頃です。 Cが私に小声で言いました。「Bのやつ、おかしくねぇ?」 私は訊き返した。「おかしいって、何が?」「あいつ、さっきからずっと口をパクパク してんぞ・・・」 彼を見ると、Bは確かに口を動かしている。が、何か声を出して喋っている訳ではなく、 いわゆる『口パク』みたいなことをしていた。 何でそれを今、こんな森の中でやっているのかは分からないが・・・。 「やっぱりあいつ異常だ」私が言うと、Cは辺りを見回して「あれ?Aは?」と言った。 言われてみるとAがいない。さっきまでBと先頭を歩いていたはずなのに・・・。 すると、Bがなかなかついて来ない。歩いてはいるのだが、全然私達のペースに 合っていなかった。私達は気にせず、そのまま歩き続けた。もう一度後ろを振り返ると、 Bは見えなくなっていた。いい加減Aに追いついてもおかしくないくらいのペースで 歩いているのに、Aの姿は見当たらない。まさか迷ったのか・・・?背筋に嫌な汗が流れる。 ずっと真っ直ぐに歩いていたつもりだが、周りの暗さもあり、もしかすると出口とは 全然違う方向に進んでいたのかもしれない。(後で知った事ですが、この森はかなり広く、 下手に迷うとそのまま遭難してしまう可能性も十分にあるほどだったそうです) 私は先ほどBがAと何やら話をしていたのを思い出した。BはAがどこに行ったのか 知っているのではないかと思い、Bのところに引き返すことにした。しかし、戻ってみると 今度はBが見つからない。いよいよ私達は怖くなってきた。たった少しの間に、 2人も消えてしまった。もしかするとAとBはこっそり計画して、どこかに隠れて、 2人で私達を脅かそうとしているのかも・・・でなければ、先に帰ってしまった 可能性だってある・・・ 出来るだけプラス思考に考えて、最悪の事態を想像しないようにしていた。 仕方なく、私とCは森の出口を目指して歩くことにした。その間も周りを懐中電灯で 照らし、AとBを探しながら歩いていたが、結局2人とも見つかることなく、私とCは 森から出てしまった。やっと薄気味悪い森を出て、私は内心ほっとしていたが、 夜の暗闇の中でそびえ立つ不気味な森を見て、この中にまだAとBがいるのかと思うと 恐ろしくなった。私はCと相談し、このまま森に探しに行っても視界も悪く、 また迷ってしまうかもしれないし、必ずしも2人が森の中にいるとは限らないと思い、 それぞれ家に帰ることにした。 するとAの親が出て、Aはまだ帰ってきていないと言った。Bの家に電話するのは ためらわれたので、Cに頼んで電話してもらった。やはりBも家に戻ってはいないそうだ。 大変なことになったと、私はこの時点でようやく認識しました。警察に連絡し、 墓地の近くの森林で肝試しをして、友人と森の中ではぐれて見失ってしまったことを説明し、 森や墓地の付近を捜索してもらう事になりました。しかし、警察の必死の捜索にも関わらず、 AとBは見つかりませんでした。 それから2ヶ月ほど経った頃、例の森でAの死体が見つかりました。発見したのは 地元の人で、死体の状態はかなり酷かったらしい。 警察によると、最低でも死後6週間は経過していて、だいぶ腐敗が進んでいたが 目立った外傷はなく、解剖した結果では何の異常も見つからなかったとの事だった。 結局、Aの死因は遭難による事故死とされました。 しかしBの方はそれからも見つかることはなく、私は月日が経過するにつれ事件のことを 忘れていきました。 懐かしさのあまり、しばらく互いの近況などを話し合ったりしましたが、 話に一段落がついたとき、彼は少し深刻な表情をして黙り込みました。 そして彼の口から信じられない話を聞きました。なんと行方不明になっていたBが 去年見つかったというのです。 それも、あの忌まわしい出来事があった森林の近くにある墓地で・・・。 更に驚くことに、彼は今、県内のとある精神病院に入れられているとの事でした。 私はBを一目見てみたいと思いましたが、Cから話の続きを聞いてその気は完全に失せました。 Bを発見したのはあの墓地へ御参りにやってきた人達だったそうですが、なんとBは そこで墓荒らしをしていたと言うのです。スコップを手に持って、一心不乱に土を掘り、 Aの名前を大声で何度も叫び続けていたそうです。掘り荒らされた墓は20以上にも及び、 中には叩き壊された墓石もあり、元の状態に戻すのは困難を極めたとの事でした。 しかし、そんな事が本当にあるのだろうか。何年もの間、行方不明になり、誰にも知られず、 突然現れた場所があの墓地だなんて。Bは、墓荒らしをする前までは、一体どこで何をして いたのだろうか?そもそも、何故墓荒らしなんて事を・・・? あれこれ考えていたが、Cは私にゆっくりと語り始めた。 「俺な、去年一度Bに会いに行ったんだ。精神病院にな。警察はあの事件以来Bのことを 疑っていたし、俺だってもしかするとあいつがAをやったのかもしれないって思った。 それでBの親友ということで特別に会わせてもらったんだ。そしてBに聞いた。 『お前がAを殺したのか?今まで捕まるのが怖くてどこかに隠れていたのか?』ってな。」 お前等も俺もみんなAに殺されていたんだよ!!』と。 まともに話したのはこれだけ。あとは全部悲鳴とか、わめき声ばかりだった」 私はただ俯くしかなかった。 そしてその後、Bは精神病院を出てから、例の森で自殺をしました。 私はこれを聞いた時は驚愕しましたが、もうこれ以上は関わるまいと心に誓いました。 後悔は十分にしました。軽い気持ちで森に入ってしまった事、AやBを見失ってしまった 事、その結果、私達だけが助かってしまった事。 Aは森へ残された恨みで私達を殺そうとしていたのか。全てはBの狂気によるものなのか。 あるいは、別の「何か」の仕業だったのか。 私は今でも分からないままでいる。 |
名前:山登り屋
投稿日:02/09/03 00:29
自分が山を登りはじめて、夜を過ごしたときに起きた出来事・・・・ その日は、月と星が綺麗で 登山のプロさんが(と言ってもこの山は初めての人でも登れる) 「月を山頂で見ないか?」って話でみんなで見るって事になって 登ることにした、山中を登ってる最中も月が綺麗で所々に月の光が 木々の間をさしている幻想的な道中だった しばらくボ〜っと木々の間から見える綺麗な星と月を見ていたら 突然、近くでガサガサッて音がした びっくりして声を上げたら プロさんは「ありゃ動物だ気にするな」といったから安心して登って行った その後が変だった・・・今度は一部の木だけが異様に揺れている・・・ 何?あれは・・・と心の中で思いながらも何も言わずに登って行った そして、川の近くに辿りつき休息を取りお話をしていたら 「フォゥ・・・・フォゥ・・・・フォゥ・・・・フォゥ・・・フォォォォウ」 って声が響いたここの山にはフクロウやミミズクは居ないはず かなり恐いって気持ちが心に強く来た プロさんは何も言わず立ち上がり 「行くぞっ、後ろは振り返らなくていい、どんな音がしてもケモノだと思え」 「山頂はまたいつかだ今日は引き返すぞ」といい歩きはじめた 登山道は道が狭い為、並んで歩く事なんて出来ない とにかく、みんなは後ろにつくのが嫌だった 考えてみると恐怖が植え付けられると暗闇の恐ろしさが身を焦がす 足場が悪い(とゆうかヘッドライトで照らしても遠距離間をとるのが難しい) のでいそごうにも急げない けれど耳は冴えてくる、聞こえるのは息遣いと足音 突然、何かが崖に近いとしか言いようがない所から後に落ちてきた 一番最後尾の人の近くに・・・・(自分は後ろから3番目) それは、山道にピタッと止まったようだ 何故なら足音の数が増えたから。 それと、カツッカツッとゆう登山ステッキの音 誰も後ろに振り向こうとしない とゆうか振り向けないっ 足音は離れないようにぴったりとついて来る そして、あの・・・・声も 「フォゥ・・・フォゥ・・・フォゥ・・・・」 ただその声が響く・・・・ 一番最後尾なんて最悪だろう どれくらいこの声と足音、そして石の上を叩くような登山ステッキの音 を聞いて来たのだろう ぼく達は自分達のキャンプサイトまで辿りついた とにかくキャンプサイトに来たっ逃げる様にぼく達は 走り真っ先に行ったのは管理塔、何故なら明かりがついてたから ぼく達は明かりだけでも欲しかった あんなヘッドライトで一部だけ照らされて周りはまっくらは嫌だった 管理塔の人達は事情は分かってたらしい 「山は不思議な所だどんな事があってもしょうがないさ、あんたら の体験した事なんてまだ軽い方さ」 と言っただけだった・・・・ 軽い?これが? 山は生と死、そして美と魔が入り混じる場所 今宵も何かが起きている |
名前:山登り屋 投稿日:02/09/03 23:46
第1夜 12月25日 あの時、ボクは小学三年だった その日は風がやたらと吹く夜だった なにか。言い知れぬ不安を感じ中々寝つけなく 何回も起きたり横になったりの状態だった そして、しばらくしたら 外から何人のもの女性の声が合わさった声が聞こえてきた 「タケオータケオータケオー」 突然、聞こえてきた謎めいた声にボクは震え上がった なんせ自分の名前を呼んでいるんだから ボクは恐ろしくなって布団を頭からかぶり耳をふさいだ状態で 眠りについた・・・ 突然、ベッドのスプリングが跳ねだした ボクはびっくりして飛び起き さっきの声を思い出してしまった スプリングの跳ねはしばらくすると止まった 声はもう聞こえない 安心して眠りにつこうにもつけるわけがない しばらくうづくまるように寝ていると 玄関のドアが開く音がした そして、ボクの部屋にくる様に ギシッギシッギシッと音が近づいてくる 自分の部屋は二階だ 「お願いだから二階に来ないでっ」 と心の中で叫んでた それを無視するかのように音は階段の方へと近づく 階段をドスッドスッと踏み鳴らす様に ガチャ・・・ドアが開く ボクの部屋はそのドアの隣 そのドアもガチャっと開いた・・・ 何か部屋が冷えこんだ感じになった 「タケオ・・・・」 近くで声が呟く ボクは布団に包まって 震えていた 手が伸びて来た様だ 何故なら僕の顔にひんやりとした手が触れてきたから・・・ 「うわぁぁぁぁぁぁ」 我慢できずに悲鳴を上げてしまった 親がびっくりした様にかけこんできた ボクは泣いた、恐かったら その夜は親と一緒の部屋で寝た 全てを夢だったと言う事にして・・・・
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どんどんアスファルトの道路ができた。当時のマンホールには 小さな穴が開いていた。導火線の長い爆竹に火を付けて、その 穴の中に落とすのが仲間内で流行ったことがあった。爆竹を入 れてからマンホールに耳を当てて、音を聞くのだ。ある日、悪 友だったみっちゃんが「ごっついええ音するところがあるねん で」とまだ造成の終わっていない原っぱに私を連れていってく れた。 つづく コンクリートになっているところに行き着いた。少し 違う形をしたマンホールが3m間隔くらいに5つ並ん でいた。「ほれ、入れてみ。ここはマンホールに耳を 当てんでもええで」と言って、爆竹に火をつけてくれた。 「どん」とかなり体に響く音がして、マンホールが少し 動いた。「どないや、すごいやろ」とみっちゃんは誇ら しげにしていた。しばらく二人で爆竹を入れて遊んでいた。 そのうち、みっちゃんの顔がぱっと明るくなった。 つづく さとる連れてくる」と言って、みっちゃんは自分の家 へ走っていった。内心では「これ、絶対にあかんこと になる」と思いながらも、気の弱い私は二人を呼びに 行ってしまった。よしくんものりちゃんもさとるも大 喜びだった。そして、全身が笑顔になっていたみっち ゃんは「みんなで一緒にいれるで〜」と言って、どこ から持ってきたのか、マッチを私たち4人に配った。 つづく 「せーので一緒に入れるねんで」と本当にうれし くてたまらない様子でみんなに言った。私たち5人 がそれぞれマンホールの側に立って「せーの」と 声を合わせて、火の点いた爆竹を穴に入れた。 「どん」という音が重なって聞こえたが、音量は 一人で入れていたときと大して変わらなかった。し かし、私が爆竹を入れたマンホールから真っ黒な 煙が出てきたのだ。 つづく 他の3人も口々に私を賞賛してくれた。しかし、煙がどん どん激しくなっていったので、「これ、ちょっとあかんで。 離れたところから見よう」と原っぱを出た。そのとき「どっ か〜ん」とかなり大きな音がして、原っぱから煙がもくもく と立ち上った。「空飛ぶ円盤や!」とのりちゃんの指差す方 を見るとUFOが3つ飛んでいた。私はもうその時点で目がウ ルウル状態になっていた。 つづく 凍りついてしまい、泣きだしてしまった。「円盤のおっ ちゃんに捕まって、怒られて、拷問されるんや…」。 みっちゃんが戻ってきた。「あほう、あれはマンホール が飛んどるだけや。早よ、帰ろ」と私の手をつかんで一 緒に走ってくれた。「なんや?」、「どないした?」、 「工事現場で爆発や」、「あんなところにマンホール落 ちとるで」、「そら、あかん。救急車、呼んだって」と 付近に住んでいる人たちが、わらわらと表に出てきた。 つづく 私たちは見つからずに離れたところまで行くことができた。 「ごっつい音やったな」、「マンホール、よーさん飛んだなあ」 「まっくろけの煙、まだ出とるで」と四人が目を輝かせて、いま 起こった出来事を話し合っていた。私だけがわんわん泣いていた。 そのうち、消防車、救急車、パトカーがどんどん来て、辺り一帯は 騒然とした空気に包まれた。 つづく とみっちゃんに何度も何度も言われてから家に帰った。結局、 周りの住宅に被害がなかったことや負傷者が出なかったことから、 原因不明の事故ということで終わったそうだ。そして、その原っぱも さっさと造成されて、ビルが建ったとのこと。もう随分昔のことなのに 、鮮明に記憶が残っている。大音響、そして、真っ黒な煙が立ち上る中、 マンホールのふたが飛び、みっちゃんに手を引かれて一所懸命に走ったこと…。 以上、私の幼いころの死ぬほど洒落にならない話でした。 |
神奈川県にある山奥の山小屋に彼は泊まっていた 山小屋には彼の他に2人の男性、夏にしては異様にすくない 風と木々のざわめきしか聞こえない山小屋で この、3人の男性達は夜遅くまでランタンに灯を灯し 高山植物の話や今まで登った山について語り合っていた。 夜中の1時ぐらいまでたっただろうか? 一人が「外から声がしないか?」と突然言った 二人は言葉を止め耳を傾けた 続く 外から声が聞こえる こんな夜中に何故?と思いつつも彼等は外へと飛び出した そこには初老の男性が胸を掴みのた打ち回っていた 彼はとにかく駈けより 「大丈夫か?」と声をかける 他の二人の一人はは急いで所持していた携帯の無線機でSOSを送ろうとした だが、何故か繋がらない しょうがなく簡易救急箱を持ってくる 初老の男性はあいかわらずかわらぬまま苦しむ そして、動かなくなった 彼はとりあえず脈を計ろうと腕に触れた だが、触ったとたんすぐに手を引っ込めてしまった 続く まるで物質のようなものに触れた様だったからだ 突然、その初老の男の手がのびた その引っ込めた手を強く握る様に その男は苦しみの顔と言葉を放った 「俺は苦しかったんだ、苦しくってここまできたんだ けれど、誰も居なかった小屋の前まで来たのに誰も居なかったんだ・・・・」 その初老の男の目からは涙が流れていた。 しばらく手を離さずに男は呆然としている3人の登山者達を見回した そして溶けるかのように地面に沈んでいった。 3人はしばらく無言で立ち尽くしていた 一人が「もう遅いから寝よう・・・・」 その日の朝、山小屋を出た3人は夜中に起きた山小屋の前に行き あの初老の男がこの地から帰れる様に・・・と祈り帰路についた 死ぬほど洒落にならないにはいたらない話ばかりですまないです 難しい・・・・ |
私が大学生だった頃、毎日つるんで遊びまわっていた グループの中に非常に霊感の強いYという男がいました。 みんなで飲み会をしているときなどでも「オイ、あそこ に女の霊がいるぜ。」とか車で走っているときに 「このトンネルの先に墓地があるぜ。かなり霊がよってきてる」 などと「ネタじゃねーの!?」と思わせることを言うやつでした。 特に霊感もなく、金縛りにもあったことの無い私は、興味半分で よくそいつに「体験談」や「今見えている霊」を聞いていました。 そんなある日のことです。 長い大学の夏休みも終わり、久しぶりに顔を合わせたYが 少し怪訝な顔をしながら私にこう聞くのです。 「N(私)お前、夏の間に水辺に行ってないか?・・・」と。 当時ブラックバス釣りにはまっていた私はキャンプをかねて S県のB湖に何度か行っており、その事を告げると 「やっぱりな、お前持って帰ってきてるよ。溺死した女の霊。 白いワンピース着てて、長い髪が濡れてべったり張り付いてるから 多分水辺で亡くなった方だと思ったんだけどな・・・」 と私に事もなげに言うのです。驚きあわてた私は 「マジで?うそ?どうにかしろよ!」と怖さもあって、 やや切れ気味にYに言いました。Yは落ち着いた様子で 「大丈夫。そんなにきつい霊じゃないから。ただ他のを呼んだり するとやばいからなー」と言い、私に「これ着けとけ」と水晶の ブレスレットを渡しました。 私は素直につけ、「これで大丈夫なんだろうな?」と聞くと 「まあ、2〜3日だろうな」と答えました。 聞くこと5日目・・・「ああ、いなくなってるわ。」とこともなげ に答えるYに対して大喜びの私。「お祝い、お祝い」と私の おごりで飲みに行きました。その席でYは私に「一度霊が憑くと 癖になることがあるんだぜ。」などと私を脅すので、私はYに お願いして水晶のブレスをお守りとして譲り受けました。 現場、自宅ともに遺書のたぐいは何も無く家族、同僚ともに Yが思いつめていた様子も無く、理由は全くわからないそうでした。 「お守りが形見になったな。」と思いながら大学時代のことを 考えながら家路につきました。 そして6年後。すっかりYのことや、霊が取り付いたことも 忘れていた私は同僚、後輩の強い誘いもあって、10年ぶりに ブラックバス釣りに行く事になりました。行き先はS県B湖・・・ 久々とはいえ良くかよった場所だけに結構、大物が釣れ後輩が 「Nさん、記念写真!!」と大物を自慢げに持つ私を、使い捨て カメラで撮影しました。 あれこれ話した後、激しい疲労感からか落ちるように眠りに 就きました。 次の朝、目を覚ました私は「何か変な夢をみたなあ。」 という記憶と抜けきらない疲労感を覚えたまま職場へと 向かいました。するとB湖で私の写真をとった後輩が 血相を変え近づいてくるのです。 「Nさん、昨日の写真を現像したんですけど、やばいんですよ!」 「何がやばいんだよ? 見せてみろよ」と私が手を出すと 後輩は震える手で写真の束を渡したのです。 何枚かあったのですが問題の一枚を見た瞬間、私はあまりの 恐ろしさに震えていたと思います。 ボートの上で座って魚を右手で持ち、ボートのふちを握っている 私の左手、その手首が湖から伸びた青白い手に握られているのです。 更に2枚目には、青白い手と濡れた髪が張り付く頭が写って いたのです。私はその瞬間、大学時代の事件を思い出して 「水晶のブレスを・・・」と考えたときに今朝の変な夢を 思い出しました。 夢の中で男が「また近づいただろう。また近づいただろう。」と 繰り返していて、だんだん遠ざかっていく夢だったのです。 早退し、家で机の引き出しから水晶のブレスを取り出し腕に つけたのです。 恐怖を感じながら、すごすうちに妻が仕事から戻ってきました。 どうやら体調が悪いらしく、「頭が重いし、寒気がする」と 言い、早々に床に就きました。何とか寝ようと思い強めの酒を ガブガブ飲んで酔っ払い、ベッドでうとうとして、また夢を 見ていました。「お前じゃない。お前じゃない。」とYが言って いるのです。ふと目を覚まして「お前じゃないってどういうことだ」 と考えていると、妻が恐ろしい声でうなり始めたのです。 オイ起きろってば!!」と必死で妻を起こしました。 目を覚ました妻が言ったことは、私を恐怖で凍らせました。 「全身びしょ濡れの女が私を引っ張るのよ!!いくらもがいても 放さなくて!」そう言いながら怯えきっているのです。 その女性の霊は私にとり憑いてその後、妻に憑いていたのです。 私はあわてて水晶のブレスを妻の腕につけかえました。 その瞬間、なんと水晶のブレスがはじけ飛んだのです。 妻と二人で怯えつつも水晶を拾い集めました。 水晶のブレスはワイヤーが切れてその場に落ちたとかではなく、 約3m四方に飛び散っていたのです。 そのうち私はうとうとしていました。そしてまた夢を見ました。 夢の中でYは「身代わりだよ。身代わりだよ。」と 繰り返していました。 水晶のブレスが妻の代わりに霊の怨念?を受けたのでしょうか。 その後水晶を宝石屋に持って行きブレスにしてもらいました。 今でも私の左手首に常についています。 私は2度と水辺に近づかないことを誓いました。 |
95 :名無し迷彩 :02/09/05 00:19
もう12年も前じゃ、漏れがリアル厨房だた頃かの。 盆前に自殺者の多いことで有名な貯水池のそばで夜戦やったんじゃ。 まぁ始めた時間も遅かったんじゃが、3ゲーム目が始まる頃には AM1時を過ぎていた。 その3ゲーム目が始まってしばらくしたら、相手チームの一人が 絶叫しながら走ってきた。 ゲームを中止して何事か?と聞くと、この先の木に幽霊が出たと言う。 高さ4mはある木の上から顔だけの女が恨めしそうに自分を 睨んでいたと言う。 確かに前年その付近で(女の)首吊り自殺があったんじゃが 「何を馬鹿なことを」と5人で見に行ったんじゃ。 そしたら見えたよ。それも5人全員でしっかり見たよ。 漏れ含めて4人が逃げ出す中、ソレに向かって○ゼン ステアー(懐)で フル(オート連射で)撃ち込むM井。 そいつは翌日から高熱で1週間寝こんだ・・・ いやマジ話。ネタじゃないって。長文でスマソ |
かなり長い話では有りますが、お付き合い願います。 20日は6時に出発の為、前日は早く寝ようと思っていましたが、 友達に誘われて朝4時位まで飲んでいました。当然、酒は控えめです。 家に着き風呂に入り準備して寝るかと思った時には5時ちょっと過ぎ。 寝たら起きれないし彼女は凄く楽しみにしてる為、遅刻も出来ないので 寝ないで行く事にしました。本読みながら布団の上をゴロゴロして 2、3分位すると目の前が真っ白に。立眩みの時によく似ていました。 なんだ?って思い、まばたきしていると今度は頭が痛くなってきました。 目の前は真っ白、頭は激痛。しかし、突然何事もなかったように 良くなりました。頭痛は風邪、二日酔いとかとは違い初めてくらった感覚で 不思議に思ってると、携帯が鳴りました。「あ、聞こえた。起きてる?着いたよ。」 さっき時計を見た時は5時位なので、やけに早く来たなと思って時計を見ると 6時18分。 「途中で寝たのかな?良く起きれたな。」と思い家を出ました。 彼女「6時位に着いて電話したら出るんだけど何話してるか分からなかった。 寝ぼけてるとかじゃなかった。何回もかけたよ。なんで?」聞かれても分かりません。 それに携帯が鳴ったのは1回だけです。車で頭痛の事を話しました。 寝てないし、酒入ってるのに気分は最高でした。 旅館に着き温泉に入って御飯を前にビールで乾杯。 その後、途中で買って来た日本酒を飲みました。ガッチリ酒を飲んだ後 布団を敷いて二人でゴロゴロしていました。彼女は先に眠りにつきました。 すると、昨日と同じく目の前が白くなり頭痛がしてきました。 右隣に寝ている彼女を起こそうと右手を伸ばすと届きません。 手をバタバタしていると頭痛が無くなりました。 どうしたんだろ?どっか体でも悪いのかな?と思って起きました。 <続きます> 極短い時間にここが泊まっていた旅館じゃないと認識し、どこに居るかも 分かりました。分かりましたが何故ここに居るのか分かりませんでした。 居る所は分かるが状況が全然把握出来ないのです。 頭痛が直って起きた時に居た場所は自分の部屋。どうして自分の部屋に居るか 考えましたが全然分かりません。あるとしたら、不眠、酒入りで温泉に行って 酒を飲んだ為にぶっ倒れて彼女が家に運んできた。 それぐらいしか思い付きませんでした。とにかく彼女にメールしようと携帯を とった時、さらに分からなくなりました。日付が7月20日 5時13分。 ちょっと考えてから下に行き新聞で日付を確認しました。7月20日。 テレビ、その他の時計、日付が分かる物全て見ました。7月20日。 近くのコンビニに行って新聞を見ました。店員に聞きました。7月20日。 今まで体験した事は、夢だったのか?考えたが理解出来ません。 家に着き呆然としてると携帯が鳴りました。6時3分。着信欄には彼女の名前が。 電話を取って「もしもし」 彼女「着いたよ〜」 俺「じゃ〜今、行く」 彼女「お〜い、もしもし〜。もしもし〜。」 プチィ。プープープー。 その後、何回か電話が有りましたが話せません。聞こえてないようです。 「6時位に着いて携帯鳴らしてたら出るんだけど何話してるか分からなかった。 寝ぼけてるとかじゃなかった。何回もかけたよ。なんで?」 彼女が言っていた言葉を思い出しました。 意地でも話そうと何回も取りましたが結果は同じです。聞こえていません。 そのうち 「もしもし」 彼女「あ、聞こえた。起きてる?着いたよ。」 昨日?(今日?)携帯で話した返事と同じです。時計に目をやると6時18分。 ものすごくリアルな予知夢を見たんだと強引に納得させました。 <続きます> なんか怖くて言えませんでした。と言うより言う気になりませんでした。 同じコンビニに行きました。同じ物を買いました。それ以外買う気になりませんでした。 なんで同じ物を買ったんだろうと思った時に、ある事を思い付きました。 「昨日(今日)と違う行動をしたらどうなるのだろう?」 って言っても違う道を通るか違う物を買う位しかありません。 人生を左右するような事も違う行動をして左右する事になるとも思えませんが、 違う事をする事によって何か変わるのか知りたかったのです。 あの時、こんな行動をしてれば、しなければ、と考えた事は皆様も有ると思います。 それは、ほとんどが大小問わず人生を左右する場面だと思います。 人生を左右しなくても違う行動をする事によって将来が変わるのか? この時、ものすごくリアルな予知夢から時間が戻ったんだと考えが変わりました。 妙にハイテンションになってました。車での話は昨日(今日)と同じです。 彼女に変わりないようでした。 最初の方は道は同じです。その内、分岐しても大丈夫な所に来ました。 昨日(今日)と違う道を進もうと思ったのですが、結局同じ道を進みました。 そっちに進む気が無かったのです。ちょっと前まで曲がろう曲がろうと 思っていたのに直前になると違う道に進む気にならないのです。 何回も何回も試みますが、直前になって気が失せるのです。 彼女に運転してもらえば何かが変わると思って車を止めました。 車を止めた場所も昨日(今日)買い物の為に止まった店です。 その店には、目当ての物が無いのは分かってました。でも見て回りました。 結局、自分が運転しました。全部同じです。 進む道も、記憶にある風景も、会話も、立ち寄った場所も。 何もかも同じです。違う事は、自分の考えてる事だけです。 でも不思議と2回目の会話なのに楽しさは変わりませんでした。 <続きます> この時に昔テレビでやっていた「世にも奇妙な物語」を思い出しました。 その物語で、主人公は同じ時間を繰り返すと言う話です。 ある時間になると時間が戻るのです。 また、戻ったりしないだろうか?心臓がバクバクし、恐怖を感じてました。 気付いた時には、朝を迎えていました。横にはスヤスヤと寝る彼女が居ました。 今までの人生で一番安心した朝ではないでしょうか。 ちょっとした時間の進みと、大幅な時間の戻りはなんだったんでしょうか? 世の中には有るか無いかを証明出来ない物や出来事があります。 運命もその中の1つと思ってます。自分は運命は無いと思ってます。 今回の事が時間が戻たとして、同じ行動しか出来なかった事を考えると 運命は有ると思わせるのに充分ですが、時間が戻ったと証明は出来ません。 リアルな予知夢かもしれません。 何より1回目と2回目とでは自分の考えが違うのです。 運命が有るのなら考えも一緒なのでは?と思うようにしました。 <続きます> その時に、1人の女の子が「前、○○に会った時にAは思い出せなかったよね。 その時は時間が進んでたんじゃない」 (Aは自分) 人との出会いは記憶の中でも、かなり残ってると思うのですが、 自分は○○ちゃんの事は覚えてたのですが、出会いが覚えてなかったのです。 1回目に会った時と2回目とでは2ヶ月も経ってないって事なのですが、 出会いを覚えてませんでした。でも、○○ちゃんの事は知ってました。 1回目の時には一緒に飲んだらしいのですが覚えてません。 その時は不思議だなと思ってましたが、旅行の事で有る結論を出しました。 「時間が進んだり戻ったりする事は有るが自分には認識が無い。」 今回の旅行の時は偶然認識しただけ。なんの偶然かは分かりませんが。 皆様も会った事有る人だなと思うけど誰か思い出せない時、 知っている人だけど出会ったのがいつか分からない時、 記憶が本当に無いのなら時間が飛んでるかもしれません。 自分が認識してないだけで。戻ってる事も含めて。 長々とお付き合い有難う御座いました。 <終ります> |
高校生の頃、夜中眠れず2ショットダイヤルに電話で話してたら「う〜〜〜〜〜ヴ〜〜〜」
っていう低いうなり声がするんですよ。最初は相手ががイタズラしてるんだと 思ったけど、相手がが何やってんの?って言い出して。しかも向こうの受話器から 聞こえる感じじゃなく、電話回線の間?から聞こえるんです。凄い怖くなってしまいました。 そしたら相手が頭痛くなっていたと言い出し、「ねぇ君んち井戸ない?」って。 家は東京なんだけど井戸がある家なんて近所じゃめずらしいのに、何で分るの〜! とパニック。寝ている親を起こして線香をたき井戸に置いといた。怖くて号泣でした。 一体アレは何だったの〜不思議です。 |
ひばりって死ぬ直前、 急に顔が亡くなった母親と同じ形相になったらしい。 みんなで「お母さんに連れて行かれる!」って言って あわてて家に電話して「お母さんの仏壇を閉じて!」って大騒ぎになったんだって 結局最後まで周りに運命を翻弄されたような人だと思う |
なんか向こうでガーガーなってて、その頃は携帯なんかなかったし音が乱れるのも初めてきいたし、 電話自体常用してなかったし、慣れないわけのわかんない音にボーっとしながら「もしもし」繰り返してた。 そのとき、なんか聞こえたので耳をすましてみた。 聞こえたのは、女の声。大人の女性の声。 ボソボソ泣いてるような声がして、子供だったわたしはなんか可哀相になって、話しかけてみた。 「どうしたんですか、かなしいんですか、迷子ですか?(迷子て!<私へ。)」 すると雑音は消えて暗い女の声がハッキリ聞こえた。 「・・・・わたしは、いない ここには、いなかった。いないわたし、どこに、わたし」 多分こんなことをいってただろうと思う。あんまりにも支離滅裂で大人ならすぐ切るだろうけど、 子供だったわたしは、泣いてるその人が可哀相で必死に慰めようと試みた。 「あなたは今どこにいるんですか?」「どうして泣いているの」いろいろ聞いてみる。でも向こうは同じようなセリフを 繰り返しているだけ。 何分間かの噛み合わないやりとりが、一変する。女が、「怖い、暗い、怖いよ、怖いよ」と私になのか、誰になのか、 取り合えず助けを求めてた。徐々に大きくなっていく女の声に私は我にかえって、気持ち悪くなった。 「これは危ない、どうして気付かなかったんだ」そう思って電話を強制的に切った。 母が帰ってきたのでその話を恐る恐るしてみる。「お母さん、今日こんな電話がかかってきたんだ。」 母は目を合わせないかのように口を動かす。「へぇ〜イタズラじゃない?危ないからすぐ切りなさい、そういうのは。」 なにか納得がいかなかったものの、その日は寝ることにした。 部屋に戻ったあと、そのことを頭の中でよく考えてみると、この世のものと思えない恐怖と嫌悪感が涌き出た。 というか、部屋に他の誰かが、いてはいけない誰かがいるかのように寒気が走った。 そのとき気配を感じたというより、なぜか必然的に窓(私の部屋2階)のほうに目をやった。 すると、怖がって震えている私を笑うかのように、血だらけに長い黒髪の女が、胸から上まで笑いながら出現。 びっくりしたのが、その白い片手には黒電話の受話器が持たれていた。 頭がまっしろになり、パニックにおちいった私は部屋のドアを力いっぱいあけて階段を下って母のところへ。 「どうしたの、怖い夢でも見たの!?」そのとき母が必死にわたしに話し掛けていたけど、一言くらいしか覚えてない。 落ちついてから話すと、母は顔色を変えて、ゆっくり言った。 「パパやあんたが怖がると思って、言わなかったんだけど、ママもその電話を受けたことがあるし、その後 2階の(わたしの部屋のとなりの)部屋に洗濯物ほしにいったときに、庭に電話を持った女の人がこっち見上げてた」 ・・・・・・・・・・・ その日二回目の腰抜かし。 その女の人の謎については母も知らないらしいけど、土地になにかあるんでは、という話に。 あまり話すと怖いので、その日から何ヶ月かは母と寝るように。 それ以来、電話も女の出現もなかった。 |
舞台は決まって自宅の廊下だ。 背後に気配を感じる。 振り向くと、天井に頭が擦れそうな程の長身の女が立っている。 顔全体を覆うぼさぼさの髪。 その隙間からどろんと濁った右目だけが覗いていた。 オレを生気の全く感じられない目で見下ろしている。 口も一部分だけ伺えた。 恐らく、「へ」の字型に歪み半開きになっているであろうその口からは、 シュルルルルという音と共に何とも言えない酷い臭いを漏らしていた。 何故かオレには不思議と恐怖感は無かった。 ──奴の顔が笑うまでは。 奴の顔が変化すると同時に物凄い恐怖がオレを襲った。 口の端がつり上がっていくところまでは覚えている。 とにかく、オレは奴が笑った瞬間、跳ね起きるようにして夢から逃れたのだ。 前の年にあの夢を見た日と同じ日付の夜。奴は再びオレの前に姿を現した。 前と全く一緒だ。笑うことがわかっているにもかかわらず、 恐怖感が全くないところまで一緒だった。 唯一違っていた点は、「続き」があったということ。 奴は顔を歪ませニタリと笑うと、両手をゆっくりオレの肩へと伸ばす。 奴の指には爪がなかった。正確に言うと、爪を剥がされて無くなっていた。 その手がオレの肩に触れるか触れないかという刹那オレは現実に戻っていた。 オレは用心してその日は徹夜しようと思いコーヒーを飲んで完全に臨戦態勢だった。 しかし、午前1時を回った辺りから急激な眠気に襲われ、オレは眠りに落ちた。 やはり奴は現れた。そして不気味に笑いながら俺の肩を思い切り掴んできた。 直後、オレは心臓が止まるかと思った。 奴の頭部がみるみるうちに膨れ上がっていったのだ。 そしてビキビキと音を立てながら口が裂け、がばっと大きく開いた。酷い臭いだ。 オレの3倍くらいの大きさになった頭が、そのままゆっくり、ゆっくりと、オレの顔に迫ってきた。 喰われる。そう思った。しかし逃げようにも肩を物凄い力で抑えられている。 足が思うように動かない。喰われる。 オレの頭が奴の口の中に入り、目の前が真っ赤になった。 奴の歯が喉に食い込む。感触はあるが、痛みは無い。 しかし恐怖感は半端ではなかった。 歯が喉を破る寸前というところで目が覚めた。 背中にじっとりと汗をかいていた。 果たして次も目が覚めるのだろうか |
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